気がついたら番外編

異世界でValentine1 ページ42

ん？待て、もう2月だと？
ってことはアレか？
あのイベントが来るではないかっ！！！


｢わたぅ、わたぅ！！｣


バタバタとワタルの所に走っていく。
だってアレですよ、アレ！
貰えるか朝からワクワクするあのイベント。
あっちの世界では色々残念だったけど、こっちの世界ではもしかしたら･･･
もしかするかもだよな、うん。


｢チャーマ様、どうなされたのですか？｣


｢わたぅ、ばえ、ちゃいん！｣


｢はい？｣


ワタル･･･その返事はもしや！
ベストマッチする刑事さんのあの返事か？
俺の言ったことが分からなくて、あの刑事さんになったのか？


｢チャーマ様、もう一度いいですか？｣


｢ばえ、ちゃいん、いちゅ？｣


｢バエ･･･？？？｣


つーたーわーらーなーいー！！
翻訳魔法使ってくれよ、頼むから･･･
それにな、こっちの世界にそんなハエいねぇよ！
さらに言うなら、こっちの世界にSNSだってないんだからな！！
｢映え｣じゃないんだよ。


｢しゅき、ひと、ちょこえーと、おくりゅ、しゅる｣


｢好きな人に『ちょこえーと』を送るんですか？その･･･バエ？｣


あー、なんか伝わったような伝わってないような･･･


｢ばえ、ちゃいん！｣


｢ばえちゃいん？｣


もうこの際バレンタインという単語は諦めよう。
うん、俺頑張ったし、これ以上伝えようって気はないよ･･･


｢チャーマ様、その･･･『ちょこえーと』とは何ですか？｣


はい？
いや、俺があのベストマッチの刑事さんになったじゃねぇか！
え、待ってくれ･･･え、え、えーーーーー！！！


｢ちょこえーと、ない、しゅる？｣


｢うーん･･･ちょっとよくわかりませんね･･･｣


マジだ･･･
いやいや、俺ね、確かに甘いものとか好きじゃなかったし。
肉とか肉とか肉とか･･･
ガッツリ系の料理しか伝えてこなかったけれども！！


まさか･･･まさかのっ！！
チョコレートがこの世界に存在してないとか！！


ありなわけ？？？


えーーーーー！！！俺の世界では万国共通のお菓子だったんですけどもー！！

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