検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:119,812 hit

九話 ページ10

兄がそう言うと私に手を出してきた。
私は、胸元から刀を取り出し兄の手におく。
そして、兄はくるっと背を向け刀の手入れを始めた。

A「え、兄さん。私、どこで着替えればいいの?」

私は、刀を置いた時渡された着物を持ってぽかんとしていた。
すると、刀の手入れをしながら兄が言った。

斎藤「ここで着替えればいいだろう。俺は、背を向けておく。それに、妹の裸など見てもなんとも思わん。」

私、一応女なんですけど!?そう思ったが、仕方なくそのまま着替えることにした。

A「あれ?兄さん、さらし巻いたほうがいい?」

兄をちらっと見る。
兄は、刀をぽんぽんしながら答えた。

斎藤「お前が必要だと思うのなら使え。」

着替えの着物を見るとちゃっかりさらしが置いてあった。
一応巻いておこう、そう思いささっと着替えた。

A「出来たよ。」

私がそう言うと、兄もちょうどよく終わったようだ。
短刀を鞘に入れ、兄は立つとすっと渡してくる。

A「ありがとう。」

私はそういい、刀を受け取った。
するとふわっと懐かしい香りがした。
兄がぎゅっと私を抱きしめる。私も、兄の背中に手を回した。

斎藤「心配したのだぞ。」

小さな声で話してくる。

A「ごめん。」

私も、小さな声でいい兄の胸に顔を埋めた。
それに気がついた兄は、さっきよりぎゅっと強めに抱きしめた。
少ししてすっと身体を離す。もう少しそのままでいたかったがやめておいた。
それが、私の表情にでていたのだろうか。兄が私の頭をぽんぽんと撫でた。
兄を見るとふわっと笑っていた。
私も、ニコッと笑った。

すると、人の気配を感じ襖の方を見る。
兄もそれを感じたようで手を下ろした。

斎藤「山崎か。どうした。」

兄はいつもの表情に戻り、襖の方に話し出した。

??「はい。副長がお呼びです。」

斎藤「わかった。すぐ行こう。」

兄が私をおいて、歩き出そうとした。

??「妹さんを連れて、いつもの所に来てください。」

斎藤「わかった。」

兄がそう言うと、襖の向こうにあった気配が消えた。

斎藤「では、行こう。ついて来い。」

A「うん。」

兄が襖を開け歩いていく。私は襖を閉め、パタパタと追いかけた。

十話→←八話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
122人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 斎藤一 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

莝理亜(プロフ) - コメントありがとうございます!続編も楽しんで下さいね! (2018年12月24日 21時) (レス) id: ca0ec47182 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメント失礼します。凄く良かったです。 (2018年12月24日 9時) (レス) id: aa472647a8 (このIDを非表示/違反報告)
莝理亜(プロフ) - コメントありがとうございます!更新する時間があまりありませんが、楽しんでいってください。更新、頑張りますね! (2018年6月23日 0時) (レス) id: ca0ec47182 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白かったです!また楽しみにしてます、頑張ってください! (2018年6月20日 20時) (レス) id: 1a0123f488 (このIDを非表示/違反報告)
莝理亜(プロフ) - コメントありがとうござます!面白いなら良かったです!!!!続き頑張って書きますね!今週は、少し忙しいのであげられるかわかりませんが、忙しくなかったらだいたい三日であげる予定です!これからよよろしくお願いします。^ - ^ (2018年1月23日 16時) (レス) id: 9add19d2e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ざりあ | 作成日時:2018年1月10日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。