三十話 ページ31
私は、それを見て口を開く。
A「大丈夫。事情は知ってるよ。」
葵「そっか…。」
葵は、悲しそうに笑った。
真野「ここではいけませんので、中へお入りください。」
真野の言葉に私たちは頷いた。
A「この先のことを考えないといけない日が、来た様だね。」
葵&斎藤「「そうだね。/だな。」」
部屋の広間に行くまで私たちは黙ったままだった。
広間に着くと全員がスッと向かい合って静かに座った。
斎藤「現状は?」
何事もなかったかの様に兄さんは話した。
それを、はいっと小さな声で返事をし真野は、口を開く。
真野「今はまだ、原因を調査中です。王様は、首を絞められた後と顔を殴られた後がありました。お二方とも心臓を一突きされています。」
A「心臓を…一突き…ねぇ。」
私は、腕を組んで考えた。
感じ的に母さんの方は、恨まれて殺されたということはないだろう。
性格も穏やかだし恨まれることはないはずだ。
ただ、鬼の血は重宝されていると聞く、母さんの血を狙った可能性も少なからずある。
父さんの方は恨まれて殺された可能性が高い。
それは、父さんの首や顔にある傷が物語っているはずだ。
それに、父さんは優しいが売られた喧嘩は買う性格だった負けた恨みを持っている人も少なくないだろう。
よくいろんなとこで言い合いしてたなぁと思い出した。
斎藤「殺害現場は?」
私が考えていると、兄さんが言った。
真野「寝室です。お二方が寝ている時に襲ったのでしょう。」
A「そりゃ、暗殺じゃん。」
私は、いつの間にか言っていた。
葵「そうだよね。寝込みを襲うなんて方法が暗殺っぽい。」
葵が頷く。
斎藤「父さんと母さんの傷のことを考えると、母さんを先に斬ったってことを考える方が妥当だろうな。」
兄さんは、下を向いた。
A「それは…鬼の血が面倒だから…だよね…。」
私は、消えそうなぐらいボソっと言った。
斎藤「だろうな。」
それが聞こえたのか、兄さんははっきり言った。
ズンとその場の空気が重くなる。
暗殺の理由は、なんなのだろうか。
父さんへの恨みか、それとも、母さんの血を利用するためか。
どちらにせよ、殺した人を見つけたら必ず捕まえなくてはいけない。
葵「まあ、考えても仕方ないよ。」
葵が少し励ましの様な雰囲気で言った。
すると、真野がスッと立った。
A「どこ行くの?」
私は、すかさず聞く。
真野は、ニコッと笑った。
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莝理亜(プロフ) - コメントありがとうございます!続編も楽しんで下さいね! (2018年12月24日 21時) (レス) id: ca0ec47182 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメント失礼します。凄く良かったです。 (2018年12月24日 9時) (レス) id: aa472647a8 (このIDを非表示/違反報告)
莝理亜(プロフ) - コメントありがとうございます!更新する時間があまりありませんが、楽しんでいってください。更新、頑張りますね! (2018年6月23日 0時) (レス) id: ca0ec47182 (このIDを非表示/違反報告)
露 - とても面白かったです!また楽しみにしてます、頑張ってください! (2018年6月20日 20時) (レス) id: 1a0123f488 (このIDを非表示/違反報告)
莝理亜(プロフ) - コメントありがとうござます!面白いなら良かったです!!!!続き頑張って書きますね!今週は、少し忙しいのであげられるかわかりませんが、忙しくなかったらだいたい三日であげる予定です!これからよよろしくお願いします。^ - ^ (2018年1月23日 16時) (レス) id: 9add19d2e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ざりあ | 作成日時:2018年1月10日 18時