†玖話† 桜舞う水面に貴方と ページ10
†Aside†
「…ん、…っ、」
目を開くと、目の前に長い白銀の髪が揺れた。
…最近、何故か目を覚ました時にカルラさんが居る事が多い気がする。
外は既に暗く、赤みがかった満月がカルラさんの髪を優しく照らしていた。
「…ん、…目が、覚めたか…」
眠そうに霞む綺麗な金の瞳が私の瞳を射抜き、そしてゆっくりと私の左手を取り、おもむろに薬指を口に含んだ。
「…ふぁ…っ?!
…ん、ん…ぅ…っ、」
ふとその牙が離れた時、指には二つの牙の痕が残っていた。
微かに漏れていく声を聞きつけたシン君が、その光景を見て目を真ん丸にさせた。
「…っ、…ズルい、兄さ…。
…あれ、何処か行くの?」
「…嗚呼、」
去っていくカルラさんの指が、私の首のマフラーを解く。
そしてそれを自分の首に巻き、カルラさんは足音すら立てず、部屋から出ていった。
「…あっれぇ、アンタさぁ…今、首…」
「…え、」
確認のためにシン君が私の首にそっと顔を寄せてきた。
「…あっは、アンタ…兄さんに、キスマーク付けられて…っ!!」
「き、キスマーク…っ?!」
「…クッ、クククッ、兄さん、独占よ…ぐ…っ、」
不意に、ずぶ、とシン君の胸を腕が貫いた。
「…余計な、事を…」
「…ゃ、シン…君…っ、」
何時の間にか弟を殺 したカルラさんは、言い訳するような口調で伏し目がちに私を見ながら口を開いた。
「…私とシンは、始祖だ。
…そう、簡単には死 ねん…、」
「だから、といって…っ、」
「…良い場所に、連れていってやる。
…帰ってくる頃には、血塗れのシンが笑い転げているだろう」
そう言ってカルラさんは私の手を取り、あの日のように…いや、あの日よりも優しく、そして強引に横抱きにした。
…つまり、所謂お姫様抱っこ。
「…きゃ…っ?!」
バランスを崩しそうになった私は、思わずカルラさんの首に抱き付いた。
「…フッ…、何だ、貴様…」
『貴様』と呼びながらも、その声には判り辛いものの、優しさが滲んでいた。
「…安心しろ、これから行く場所を、貴様はきっと好む…」
結局逆らえなかった私は、重力を無視して翔び上がったカルラさんの腕の中で身を硬くする事しか出来なかった。
†拾話† 桜舞う水面と君と→←†捌話† 待ち人が来ないなら…
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*SSU* - カルラ様〜〜〜〜〜〜♪愛してる〜〜〜♪ (2020年5月10日 2時) (
レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 忘れてましたが！詩音は、私の3DSのアカ、こっちはスマホのアカになります。 (2017年7月4日 18時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - ゴミみたいな下手な絵でカルラさん御免なさい… (2017年7月4日 17時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 携帯買ったので、一々パスワード入れずに済む…っ!！( ≧∀≦)ノ嬉しい (2017年7月2日 20時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - Schicksalさん» そうですね。カルラさん好きの人に会えて光栄です!!これからも閲覧宜しく御願い致します♪ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 30e1d5a9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩音 x他1人 | 作成日時：2017年4月2日 21時
