ショート！ショート！ショート！

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「ねっ、ねぇ！本気！？」


『当たり前やん、こんなん冗談でなんて』

「だけどっ！ちょっ…と！待っ」


いわゆる後輩と、いくら仲が良いとはいえ

こんな急な展開に酔った頭で考えても


村上は私の手を掴みサッサと店出て歩き出し

…初めてだよね、体に触れられるのって

…近い距離で話したコトはあっても


『…なぁ？何処がええんやろか？』

『ほれ、俺こんなん分からへんし…選んで？』


何処か別なコト考えてたらいつの間にか

村上が適当に入ったのか、其処はもうホテルの中


「…選ぶって…そんなの」

『いや、俺はどの部屋でもええねんけど』

「や…私だって、えっと」


村上はずっと私の手を握っていて

パネルの前、残り3室、値段はマチマチ


『ほんだら折角やし、ええトコにしよ』

『付きおうてもろうたしな…ゴージャスにいこ』


何も答えない私に業を煮やしたのか

村上は一番高い部屋を選び、鍵を受け取り


『普通のホテルと変わらへんなぁ』

『Aは？何回か来たコトある？』


エレベーター内でも村上はごく普通で

逆に焦っているのは他でもない私で


でも

やっぱり手は握られた、ままで



『ほぉ？めっさ広いなぁ、な？』

『せやけど一泊だけなんにこない広いって贅沢や』


部屋へ入りすぐ村上は彼方此方見渡して


「は？一泊…、何？今日泊まる気？」

『んー？やって休憩？なんて時間短いやんけ』

「短いって…勝手に決め…」

『俺初めてやしスムーズに動かれへんかなと』


はぁぁ

なんか1人でアタフタしてんのアホらしくなっちゃう

現にお願いしてきた当の本人はリラックスして？


『まぁ、ビールでも飲むか！』

『お！ワインも置いてあるで！流石ええ部屋！』


ソファにドカリ座る村上の隣、私も腰を下ろし


『時間はいっぱいあるし…な』

「…飲みすぎたら役に立たないわよ」

『大丈夫やろ？俺あんま関係ないと思うわ』

「…その根拠のない自信はどっから？」

『勘やな！勘！普段から飲みすぎても元気や！』


村上の訳の分からない自慢話で

思わず笑って、バカらしいって大笑いして


数十分後には居酒屋に居た時より砕けて

村上はスーツ皺になるのは避けたいって言い出して


『着替えたいわ、風呂入ってきてもええか？』

「どーぞ、次私も入るからお湯溜めてねー」


ほろ酔いどころの騒ぎではない

グダグダに身体は緩くなる、思考回路も


『A危ないな？風呂、一緒に入るか？』


だから村上が言った言葉も理解出来ない

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