-今日だけ、- ページ31
いつ攻撃の手が此方に向けられるか分からない状況下。可能であればもう誰も戦いに巻き込みたくない。
早くこの人…和巳さんを何処か安全な場所へ……
だけど、神出鬼没なアイツらの攻撃網から完全に抜け出すのなんて不可能だ。
接点があるとわかった以上、和巳さんの身に危険が及ぶ可能性だって大いにある。
＿＿不用意に離れない方が策だ。
虚を彷徨っていた手を、ぎゅう、と握り。
息を呑み、静かに吐き出す。
「…和巳さん。俺は助けないといけない人も、複数の鬼に一人で戦いに向かった仲間もいます。このまま貴方と此処に居るわけにはいけないんです。」
「里子…さん？」
その凛と張り詰めた声に、和巳も抱擁の手を緩める。
この選択は間違いじゃない。
過酷だが、これは彼が受け入れて、彼が受け止めなきゃいけない現実だ。
「俺は＿＿貴方の婚約者の里子さん…ではありません。鬼殺隊の黒幻 Aといいます。」
するり、と赤いリボンを解くA。
悪戯に吹き抜ける風が彼女の髪を弄ぶ。
隊服の上から着ていた着物を脱ぎ、自分の羽織をふわりと羽織り直し和巳を見据えるA。
その力強い瞳に、吸い込まれる漆黒の瞳に。
一瞬、時が止まったように錯覚する。
「鬼を誘き寄せるためにこの格好をしてましたが、俺は、女でもなければ�狠豊瓠�＿＿和巳さんは、俺が必ず守ります。ついて来てください！あと、この着物、借り物です。貴方に預けます！」
もふっ、と和巳に着物を預け、腕を取り力強く駆け出すA。
くるりと振り返り
にぱぱっ、と花が咲くように笑みを浮かべるA。
大人びいた雰囲気から
年相応の無垢な笑みに今度は一気に拍子抜けしてしまう。
目の前にいる少女の姿だったAに婚約者の姿を重ねていたが、今ではその面影もない。
目の前の手を引いてくれるのは他でもない�狆�年�瓩澄�
自分よりも一回りも二回りも小柄な背中が
ただ前だけを見据えて人を守るために駆けるその姿に背中を押された和巳。
己も、己の足で、確りと駆け出した。
「あの、俺にできることは…！」
「＿＿A！」
「…え、？」
「俺の名前！今日だけ、今日は覚えてて下さい！」
「��A�瓠弔気鵝帖�
「…ん！和巳さんにお願いするのは…」
Aは己の名前をきちんと和巳に呼んでほしかったのだ。目の前にいるのは他でもないA自身であることをきちんと認識して欲しかったのだ。
あの沼に攫われた女の人が…
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あ - パースワード教えていただければ嬉しいです (2月29日 19時) (
レス) @page32 id: 9e43a05317 (このIDを非表示/違反報告)
こはく(プロフ) - ずっと前から見ていた作品でアカウント変えてからやっと見つけました。パスワードを教えていただけたら嬉しいです (2月8日 8時) (レス) id: 094a65f89f (このIDを非表示/違反報告)
あい - 一気に見さて頂きました。おもしろかったので続きが読みたいのでパスワードを教えていただけたら嬉しいです。 (1月25日 19時) (レス) @page29 id: b97ed817a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえんはけつの穴 - かきなおし途中でもいいので読みたいです…この続き全部パスワード管理で寂しいです…気長に待ってます！ (10月30日 17時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
きょむ - 前に無限列車編の途中まで読ませてもらってた者です！ほんと大好きな作品です🌼めちゃめちゃ面白かったのでまたもう1回読みたい…🥺急かすつもりは無いのでいつか読めたらいいな〜ぐらいの気持ちで待ってます！のん。さん応援してます！ (9月13日 12時) (レス) id: b566dd52f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月22日 8時
