-命の恩人- ページ4
窓から吹き付ける風と共に雨粒が入り込みAを嘲笑うかのように雨粒が顔を、頬を撫でる。
ぽたり、ぽたり。
転んだ拍子にべったりと付いた両親の血を流すように雨粒が全てを落とす。
血溜まりはじわりじわりと滲み
玄関へ立つ人物へと流れる。
「...強く、なりたいか。」
この人、だれ？
かたな？
転がるこれはさっきのおに？
この人が、さっきの鬼をやっつけたの？
私のおとうさんとおかあさんを殺したあの鬼を？
�爐弔茲��瓠�
私がつよくなかったから、お父さんとお母さんは死んじゃったの？
街の人もみんないなくなったの？
つよく。
�犇�く�瓠�
「…っ、な、なりたい…っ！…強く！強く！！貴方みたいに強くなって！！おにを、鬼を…ッ！！ッ…ああ、うああ…ッ」
溢れる涙が止まらない。
ボロボロと大粒の涙を震えながら落とす幼いその姿は見るに耐えない悲痛な姿だ。
ふわり。
「＿＿…っ！！」
その人はAを強く、強く抱き締めた。
大きな手が、
Aを助けたその大きな手が優しく包み込む。
大嫌いな雨と血の混ざった
嫌な匂いが鼻腔を擽る。
さっきの人？
泣いてる？どうして？
どうして貴方が泣くの？
「…わかった。俺がお前を立派な鬼殺の剣士に育ててやる。…辛かったな。辛かったろう。今は、思う存分泣いておけ。その悲しみを憎しみを忘れるな。絶対に。強く己の心に刻み込め。」
「…っふ、…、ぐっ、っうあああああ！！」
頭を撫でるその分厚く硬い優しい手に、今は亡き両親の姿が重なり、震える奥歯を噛み締め目の前の温もりに縋り付くように背に手を回し大声を絞り出し、雨粒と共に大粒の涙を、嗚咽をAはこぼした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
どれくらいの時が過ぎただろう。
外は仄かに明るく朝が来たことを告げる。
雨は相変わらず憎くも止む気配はない。
このままでは洪水、山崩れは避けられない危険な状態だ。
Aの目元は赤く腫れ、助けてくれた命の恩人の腕の中で泣き疲れ静かに眠る。
汗と雨で額に張り付いた前髪を払う。
「...、」
守れなかった。
こんな小さな子供の
当たり前の、普通の幸せを。
守りたいものはいつも
両の手を簡単に擦り抜け零れ落ちる。
元・柱の名が廃る。
この子は...この子は俺が、俺が育てる。
だから安心して預けてください。
今は亡き、小さな命の両親に告げる。
Aの命の恩人。
元・鬼殺隊柱その名を＿＿＿
.
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はな - とても素晴らしい作品でドキドキハラハラしながら読ませてもらっています！続編を読みたいのですがパスワード教えてもらえたら嬉しいです！！ (2022年12月17日 1時) (
レス) id: 91f9c89261 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 続き読みたいです！！パスワード教えてくれませんか？ (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
皐 - とても素晴らしい作品でした！続きも読みたいので、パスワード教えてください (2022年4月27日 18時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - 胡蝶3姉妹推しです!さん» 胡蝶3姉妹推しです!さん はじめまして！恐れ多い御言葉大変恐縮です...！これからも書き殴っていきますので何卒お付き合い頂けますと幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年7月31日 9時) (レス) id: 026c0ddca4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶3姉妹推しです!(プロフ) - わぁぁぁ私の作品が塵以下だったとしたら貴方の作品は神より凄い！ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 7688185c2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月1日 23時
