【名探偵コナン】【文スト】名探偵の親友は武装探偵社員Ⅱ (ページ6)

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椅子ではなく机の上に腰掛けつつ、園子たちと雑談をしていると、誰かの携帯の着信音が聞こえる。

「私のじゃないよ。Aのじゃない？」

『…あぁ、ほんとだ。』

蘭に言われて携帯を取り出せば、画面に表示されるのは、“敦くん”という文字。

「男？えぇ、やっぱりAって彼氏…いひゃいいひゃい！」

『いないってば…。』

ニヤついている園子の頬を軽く引っ張ると、電話に出る。

『もしもし？どうした…』

「助けてAちゃん！！」

『お、おう…？』

耳元から大きな敦くんの叫び声が聞こえ、思わずしどろもどろ返事をする。

「太宰さんが、太宰さんがおかしいんだ！！」

『太宰さんがおかしいのはいつもの事でしょ。』

「そうだけど、いつもよりもっとおかしいんだよ！！」

『はぁ…。』

……敦くん、今地味に太宰さんのこと貶したよね…。

「今日、出勤したら黄泉の国がどうのこうのって…」

『は？黄泉の国ぃ？』

「僕もよく分からないん、だ、ってわぁあ！？」

ドタドタと慌ただしい音が聞こえると、敦くんの声が途切れる。

「わはははは！君もおいでよー、黄泉の国ー！」

「ちょっと太宰さん、本当にどうしちゃったんです！？」

「ん？これ…茸…？うわ、何これ、毒々しい色…ってまさか！」

『それを食べたんじゃないかって？ん？待てよ…。』

「え？何？」

変な色の茸…ねぇ…。

ふむ、と顎に指を添えて考える。

たしかそんな物が冷蔵庫の中にあった気がする。

緑に黄色の斑。

毒々しい色だった。

あの時私が捨てていればこんなことにはならなかっただろう。

『あー…ごめんよ、敦くん。』

「へ、何が……あっ！？ちょ、太宰さ、」

ブツリと音をたてて通話が切れる。

大方、頭のネジがすっぽ抜けた太宰さんが何かして切れてしまったのだろう。

ふぅとため息をつきつつ、鞄の中に電源を切って放り込む。

「…なんの電話？」

「凄い声したけど…。」

『…22歳児の相手をしてただけだよ。』

「はぁ？」

訳が分からないといった顔をする二人。

ま、理解する必要も無いとくすりと笑った。

探偵社と言えば…今日の依頼は、ヨコハマ連続失踪事件について、だったか。

なんでも、匿名のタレコミが来たらしい。

タレコミの主を調べるため、国木田さん、太宰さん、そして敦くんとそのタレコミの主の居場所に行くのだという。

特に戦闘になる予定もないので、制服のまま行っても問題ないかと考えた。