【黒バス】ウソコク【緑間真太郎】

８つめのウソ。 ページ9

「……ん？」



ふと、唐突に眠りから覚める。

まだ起き抜けの頭で窓の外を見れば、すっかり日も落ちて暗くなっていた。



「今何時だろ」



目の前にひっくり返っていたスマホの明かりをつければ、19時27分ということがわかる。

19時……？



「緑間くんとの待ち合わせ!!」



完全に寝過ごした。



「と、とりあえず体育館に行って……」

「行っても誰もいないと思うが」

「わっ!?」



私一人だと思っていた矢先に聞こえたため息混じりの言葉に、大げさな悲鳴を上げればふん、とその声の主は鼻を鳴らした。



「約束の時間に来ないばかりか、教室で寝ているとはな」

「ご、ごめん！本当申し訳ない……です」



というか、さすがの緑間くんでもこれは愛想を尽かしただろう。

「これを機に振ってくれると楽なんだけどな」なんて浅はかな思惑は、彼の一言であえなく消し飛ばされた。



「……まあ、今回は待たせたこちら側に非があるのだよ。この待ち時間はそれでチャラだ」

「え……怒らないの？」

「そんなことでいちいち目くじらを立てる必要もあるまい。それとも怒ってほしいのか？」



怒られたいなんてそれ、なんてドM？

もちろん、丁重にお断りさせていただいた。

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