検索窓
今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:129,344 hit

Another Story. ページ50

__これは本編に入らなかったスキマの話。

誰にだって、幸せになる権利はあるんです。











必死だった。



中学校に入って以来ずっと、脇目も振らずに思いつづけてきた彼に「彼女ができた」って聞いたそのときから。

どうにかして気持ちを冷ますことができないか、どうしたら別れてくれるか、ってそんなことばっかり考えて。



「私ってホント嫌なヤツだよね……」



だけど、好きな人のために手段なんて選んでる暇はないし、選ぶつもりもない。

そんなとき、当の二人の関係が始まったきっかけがウソコクであると知った。



「……ごめんなさい。白井さん」



たった一度きりの謝罪。

これから先、私は彼女にとって悪魔のような存在になるだろうけれど、それも運命だろう。



「ウソコクで幸せになろうなんて甘いのよ」



悪い「ワタシ」が目を覚ます。















「惨めったらありゃしない」



結論から言えば結果は惨敗。

私が思っていた以上にあの二人の絆は強くて、所詮、引き立て役になるに過ぎなかった。



「好きだったのにな、本気で」



大丈夫か、って声をかけてくれたあの日、この人が運命の王子様だって思ったのに。



「お前……隣のクラスの」

「青峰?」

「こんなとこで何してんだよ」



よりにもよって最悪のタイミングでコイツに見つかるなんて。

彼に何か言われたらたまったもんじゃない。



「別に。アンタには関係ないでしょ」

「どうせフられて泣いてたんだろ」

「……見てたの?」

「いや、勘だけど?つーかマジだったのか」



驚いたように目を丸くする青峰に怒鳴る気力が湧くはずもなく、適当に相槌を打つ。

すると、彼はつまらなさそうに「ふーん」とつぶやいてからニヤリと笑った。



「オレにしねぇ?」

「は?」

「アイツじゃなくてさ。好きになる相手、オレにしろよ。ぜってー後悔させねぇから」



勝手にすれば?って、冷たくあしらったら

勝手にするわ。って、そう返ってきた。



__新しい春の訪れ……?



Fin.

この小説の続きへ→←完結の挨拶。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (303 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
219人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

無気力系湯豆腐 - この作品を読んで、ますます真ちゃんのこと大好きになりました!!それと、中学生編お疲れ様でした! (2018年4月2日 19時) (レス) id: 43dd98dc4d (このIDを非表示/違反報告)
桜陰 - あ、嘘。最後の青峰かっこいい。 (2015年6月24日 19時) (レス) id: 90b9e4c21b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬。 - うぅぅ〜>< 真ちゃんかっこよすぎだよぉぉぉ〜(*´з`) こんな、神作品を作れる作者さんを尊敬しますw 高校生編見てきます!! (2014年9月13日 16時) (レス) id: 56eda4d92d (このIDを非表示/違反報告)
Romantica(プロフ) - お疲れ様でした〜。高校生編が見たいです!! (2014年8月27日 17時) (レス) id: d7f3700c3d (このIDを非表示/違反報告)
乃々(プロフ) - 高校生編が見たいです。 (2014年8月27日 10時) (携帯から) (レス) id: bc1d5ea67d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:深優 | 作者ホームページ:hyit//  
作成日時:2014年7月4日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。