Another Story. ページ50
__これは本編に入らなかったスキマの話。
誰にだって、幸せになる権利はあるんです。
・
・
必死だった。
中学校に入って以来ずっと、脇目も振らずに思いつづけてきた彼に「彼女ができた」って聞いたそのときから。
どうにかして気持ちを冷ますことができないか、どうしたら別れてくれるか、ってそんなことばっかり考えて。
「私ってホント嫌なヤツだよね……」
だけど、好きな人のために手段なんて選んでる暇はないし、選ぶつもりもない。
そんなとき、当の二人の関係が始まったきっかけがウソコクであると知った。
「……ごめんなさい。白井さん」
たった一度きりの謝罪。
これから先、私は彼女にとって悪魔のような存在になるだろうけれど、それも運命だろう。
「ウソコクで幸せになろうなんて甘いのよ」
悪い「ワタシ」が目を覚ます。
・
・
・
「惨めったらありゃしない」
結論から言えば結果は惨敗。
私が思っていた以上にあの二人の絆は強くて、所詮、引き立て役になるに過ぎなかった。
「好きだったのにな、本気で」
大丈夫か、って声をかけてくれたあの日、この人が運命の王子様だって思ったのに。
「お前……隣のクラスの」
「青峰?」
「こんなとこで何してんだよ」
よりにもよって最悪のタイミングでコイツに見つかるなんて。
彼に何か言われたらたまったもんじゃない。
「別に。アンタには関係ないでしょ」
「どうせフられて泣いてたんだろ」
「……見てたの?」
「いや、勘だけど?つーかマジだったのか」
驚いたように目を丸くする青峰に怒鳴る気力が湧くはずもなく、適当に相槌を打つ。
すると、彼はつまらなさそうに「ふーん」とつぶやいてからニヤリと笑った。
「オレにしねぇ?」
「は?」
「アイツじゃなくてさ。好きになる相手、オレにしろよ。ぜってー後悔させねぇから」
勝手にすれば?って、冷たくあしらったら
勝手にするわ。って、そう返ってきた。
__新しい春の訪れ……?
Fin.
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無気力系湯豆腐 - この作品を読んで、ますます真ちゃんのこと大好きになりました!!それと、中学生編お疲れ様でした! (2018年4月2日 19時) (レス) id: 43dd98dc4d (このIDを非表示/違反報告)
桜陰 - あ、嘘。最後の青峰かっこいい。 (2015年6月24日 19時) (レス) id: 90b9e4c21b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬。 - うぅぅ〜>< 真ちゃんかっこよすぎだよぉぉぉ〜(*´з`) こんな、神作品を作れる作者さんを尊敬しますw 高校生編見てきます!! (2014年9月13日 16時) (レス) id: 56eda4d92d (このIDを非表示/違反報告)
Romantica(プロフ) - お疲れ様でした〜。高校生編が見たいです!! (2014年8月27日 17時) (レス) id: d7f3700c3d (このIDを非表示/違反報告)
乃々(プロフ) - 高校生編が見たいです。 (2014年8月27日 10時) (携帯から) (レス) id: bc1d5ea67d (このIDを非表示/違反報告)
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