検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:129,332 hit

43こめのウソ。 ページ46

「結局、最後まで送ってもらっちゃったね」

「こんな遅い時間に一人で帰すわけにもいかないからな。当たり前のことをしたまでだ」

「人事を尽くすための一環ってこと?」

「もちろんそれもあるが……」



何よりお前が大切なのだよ。

本当に素面で言ってるのかを疑うレベルの甘いセリフを臆することなく口にする緑間くんは、悔しいほどかっこよかった。



「やっぱり緑間くんには敵わないや」

「一つ、いいか」

「ん?どうしたの?」



笑いながらドアノブに手をかけたところで、少し声のトーンを落とした彼に呼び止められる。

くるりと首だけ振り返れば、息が止まりそうなほど間近に端正な顔立ちがあった。



「わ……!?」

「いつまでそう呼ぶつもりだ」

「な、名前のこと?」



跳ねる心臓を落ち着かせるためにわかりきった質問をすれば、彼はそれを無言で肯定する。



「……し、ん……」

「聞こえないな」

「っ……真太郎の意地悪!」



急にSッ気の増した望みに半ば怒鳴りつつ答えれば、彼は照れたようにそっぽを向いた。



「まあまあ、と言ったところか」

「そ、その割りには顔が赤いんじゃない!?」

「うるさいのだよ!お前こそまるでリンゴのような顔をしているだろう!!」



と、そこで会話が切れて沈黙が訪れる。


どれくらいそのまま向き合っていただろう。

不意に彼と目があって、図ったように同じタイミングでぷっ、と小さく吹き出した。

44こめのウソ。→←42こめのウソ。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (303 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
219人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

無気力系湯豆腐 - この作品を読んで、ますます真ちゃんのこと大好きになりました!!それと、中学生編お疲れ様でした! (2018年4月2日 19時) (レス) id: 43dd98dc4d (このIDを非表示/違反報告)
桜陰 - あ、嘘。最後の青峰かっこいい。 (2015年6月24日 19時) (レス) id: 90b9e4c21b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬。 - うぅぅ〜>< 真ちゃんかっこよすぎだよぉぉぉ〜(*´з`) こんな、神作品を作れる作者さんを尊敬しますw 高校生編見てきます!! (2014年9月13日 16時) (レス) id: 56eda4d92d (このIDを非表示/違反報告)
Romantica(プロフ) - お疲れ様でした〜。高校生編が見たいです!! (2014年8月27日 17時) (レス) id: d7f3700c3d (このIDを非表示/違反報告)
乃々(プロフ) - 高校生編が見たいです。 (2014年8月27日 10時) (携帯から) (レス) id: bc1d5ea67d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:深優 | 作者ホームページ:hyit//  
作成日時:2014年7月4日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。