【黒バス】ウソコク【緑間真太郎】

15こめのウソ。 ページ18

「あれ、白ちんそんなタオル持ってたっけ」

「ちょっと借りたの。今日のラッキーアイテム……なんだって」

「緑ちんみたいなこと言ってんね」



反応的に紫原くんは私と彼が付き合っていることを知らないようで。

別にわざわざ言うほどのことでもないだろうと曖昧に受け流しておく。



「まあ、なんでもいいや。数学の教科書忘れたから見せてくんない？」

「え、昨日も忘れてなかったっけ？」

「だって教科書とかなくても困んねーし」



……そうだった。



「って、私も持ってないかも」

「えー。借りてきて〜」

「はいはい。わかりました」



もはや机から動く気のない紫原くんの横を通り過ぎて、隣のクラスを覗き見る。

まだ朝練の最中なのか、知っている友人もおらず、どうしようかと思案していると。



「そんなところで何をやっているのだよ」

「み、緑間くん!?」

「教室のドアの前に立つのが好きなのか？」

「ええっと……そういうわけじゃなくて」



予期せぬ出会いに混乱する頭で、数学の教科書を借りようとしていたことを説明する。



「なるほどな。ちょっと待ってろ」

「あ、ちょ……」



止める間もなく姿を消した彼は、数秒後にまた私の前に現れた。

数学の教科書を手に持って。

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