稲荷崎の名物マネージャー【HQ】

綺麗な ページ5

KITA



治「姉ちゃん！！はよ帰ろ！！」



侑「帰ろ！！」



『分かった、分かったから』



部活終わり、双子がいつもより元気で騒がしかった。



右腕を治、左腕を侑に引っ張られとるAは、迷惑そうにしとるし、助け舟のつもりで治に聞いてみた。



北「なんや二人とも、えらい元気やな。どないしたんや」



治「帰りに姉ちゃんにプリン買うてもらうんです！！」



ホンマに治は食いもんが好きやなぁ



食いもんだけであんな目キラキラさせて、かわええなぁ



北「じゃあ、コンビニ寄るんか？」



『そのつもりやで』



せや、今日もAに怒鳴らせてもうたし、お稲荷さんでも買うたるか



…ついでに、笑った顔見れるとええな



そんな願望を込めて、



北「俺もええか？」



『ええけど、珍しなぁ。』



北「買いたいもんあんねん」



嘘はついてへんから、許してな。



『なんや、信介と帰るん初めてやから変な感じするわ』




北「せやな。」



いつもはアランと帰るからな



帰り道にAがおるのが新鮮で、つい顔が緩んでまう。



…見られてもうたかな



『かわええな、信介』



すると、隣からAの声。



俺のどこがかわええんや？



俺より、



北「？Aのがかわええやろ」



『え、あ、おおきに」



ほら。ちょっと照れくさそうなとことか。



可愛いやんか。



『し、信介も、お世辞言うんやな…びっくりしたわ…』



お世辞やと思われたんか…心外やな



北「お世辞？お世辞なんか言うとらんで。」



『え…』



俺の言葉に心底驚いたような顔をするAが可愛くて



Aから視線を外した。



近くにあったコンビニに感謝やわ。



北「Aはかわええやろ。あ、コンビニ着いたで」



『あ、おん。』



どのお稲荷さんが好きなんやろかと悩んどったら、Aたちは既にお会計を済まし外におった。



北「待たせてもうたな」



『ううん。何買うたん？』



北「お稲荷さん、やるわ。A、いつもおおきに」



『あかーーーーーん！！！！！』



何があかんねん


このお稲荷さん、好かんかったんか？



北「どないしたんや、これ好かんかったか？」



『ちゃ、ちゃうねん！こっちの話や。信介、おおきに！！』



あぁ、この顔や。



横におる双子によう似た目を細めた、笑顔。



綺麗に笑う、お前が好きや。

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