2.マネージャー希望です。 ページ2
『第二体育館』と書かれた、小さな体育館。
その前で、私は少しだけ緊張した胸を抑えた。
受験をして見事合格した烏野高校。
部活は何にしようかと考えている時に、顔見知りの先輩に紹介されたのが男子バレー部のマネージャーだった。
先輩の話によると、この男子バレー部はマネージャーが一人だけのようだった。
結構な人数がいると聞くし、他に入ろうと思っていた部活もなかったことから、私はこの烏野高校排球部への入部を決めたのだ。
「なんて挨拶するべきだろう……」
というか、そもそも私はバレーなんて体育の授業以外したこともなければルールも全く知らない。
そんなので大丈夫だろうか。
もうすでに入部届を出したというのに、今更襲い掛かってくる不安。
それでも、きゅっと唇を噛みしめると、私は重い扉を開けた。
「……あの、マネージャー希望の者なんですが……」
中には、数人の人。
バレー部とだけあって、やっぱり皆大きくて、雰囲気からも伝わった。
私に気がついた、三人の男の人。
「ん?……スガさん!女子ッス!女子ッスよ!」
「本当だ、女の子」
「ああ、マネージャー希望の子かな」
わああ、なんかこっちに来る……。
三人の男の人は、私の顔をまじまじと珍しそうに見ていた。
「えーっと、"橘A"さん?」
「は、はい」
入部届を見ながら言ったのは、短髪の男の人。
「マネ希望だよね、助かるよ、うちはマネージャー一人しかいなくて」
「にしても女子ッスよ大地さん!これでむさっ苦しい部活が潔子さんとこの子のおかげでまた華やかになりますね!」
「むさっ苦しいのはお前だろー?」
坊主の少しガラの悪い男の人と、色素の薄い髪色をした男の人。
なんだか皆、大きいなあ……。
「うるさくてごめんな。俺は主将の澤村大地。それから……」
「副主将の菅原孝支、よろしくな」
「俺は二年の田中龍之介だ。田中先輩って呼んでくれてもいいぜ!」
フハハと笑う田中先輩を、菅原先輩がバシンッと叩く。
すごい個性的な人が多いようだ。
「橘Aです、よろしくお願いします!」
ガバッと頭を下げると、頭上からは「おう!」と声が聞こえる。
こうして、私は烏野高校排球部へと入部をしたのだ。
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夏斗 - 初コメ失礼します! とにかく始めにお礼を言わせてください! こんな素敵な作品を書いて下さりありがとうございます!! スガさんの小説少なくないですか!? 数少ないスガさんの作品がこんな甘々なんて最高ですよ!! キュンキュンさせて頂きありがとうございました!! (3月10日 0時) (レス) @page48 id: 73bfbf52f2 (このIDを非表示/違反報告)
zgdj - もうキュンキュン超えてギュンギュンしました!笑最高の作品をありがとうございます!🤍 (3月2日 19時) (レス) @page48 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
ぴざまん - あまずっぺえ…良い… (8月11日 19時) (レス) id: 12362f5741 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - 37〜40の一連の想いに涙が止まりませんでした😭 (2022年9月28日 10時) (レス) @page38 id: 0e8ab4d39d (このIDを非表示/違反報告)
れむ。(プロフ) - 素敵な夢小説ですめちゃ好きです…😿♡ もっと早く出会っていればよかったなんて後悔してます😵💫 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 31e76c62e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年5月19日 23時