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172. ページ38

「これはこれは……お二人ともお綺麗ですよ」


最初に口を開いたのは、眼鏡を押し上げた柳生だった。


「千恵の場合は孫にも衣装という感じじゃな」

「うるっさい!」



数秒の間を空けて、悪戯っぽく告げた仁王が笑う。

弾かれたようにぎこちなく笑う面々にAは微かに首を傾げた。

10人中10人が振り返る、とはこういう事なのだろう。
行き交う人々の全ての視線が、彼女に釘付けになっていた。



「あーもう、A先輩ってほんと顔だけはいいっすよね」


ほんのりと赤く染まった頬を隠すようにそっぽ向く切原。


「黙れワカメ」

「なっ誰がワカメっすか!」


この2人はなんと言うか犬猿の仲。
お互いに素直じゃない所がある為、たまに衝突する。
半分フリーズしていた面々は、2人の言い合いではっと意識を取り戻した。


「あ、チョコバナナ!」


待つのに疲れたのか、屋台しか目に映らない丸井が一目散に駆けていく。


「あ、おい!ブン太!」


保護者…もとい桑原がその後を追いかけた。


「けしからん連中だ」


真田が腕を組み、


「ふっ仕方ない、追いかけるか」


柳はいつもより楽しそうに笑う。

温かい、そう感じれる空間が風の間に出来上がった。


「じゃあ行こうか」


幸村のその一言で全員が歩き出す。

真っ暗な夜道に人工的な灯りが煌めき、それを辿るようにゆっくりと地面を踏みしめた。



.

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SHINO(プロフ) - スノウさん» スノウ様!いつもコメントありがとうございます。スノウ様のコメントは本当に何度も読み返してはニヤけてしまって、とても力をいただいています。そうですね、私も主人公の気持ちをやっと書けたので嬉しいです。笑 どうか最後までお付き合いください。 (2017年4月20日 15時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます。気をつけている事に気付いてくださって嬉しいです。fifthの表紙もありがとうございました。申請を出したので使わせていただきます!これからどのような展開になるかは秘密ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年4月20日 15時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
スノウ - おつかれさまです!ついに主人公ちゃんから好き、という素直な気持ちが聞けて嬉しいのと同時に、これから彼女がどのように生きていくのか、不安なような楽しみなような。続編待ってます(^^*) (2017年4月18日 23時) (レス) id: 9bbfe87ee5 (このIDを非表示/違反報告)
- お疲れ様です。続編も楽しみにしています。SHINOさんの花火を空が泣くと表現するところや、情景は目に浮かぶのに感情は明かさないようにするところとか本当に好きです。これからも頑張ってください。 (2017年4月18日 20時) (レス) id: 41f82b2237 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - Yさん» コメントありがとうございます!儚さは私の意識している点でもあるのでとても嬉しいです。終わりを残念だと感じていただけるような作品をかけてよかったです。ですが、まだ終わりそうもないので引き続きお付き合いください。笑 応援、本当にありがとうございます。 (2017年4月16日 16時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2016年9月8日 17時

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