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チョコバナナの行列に並びながら幸村が優しく問いかけた。
その笑みを見て、Aは思う。
幸村が浴衣を着たらどんなに似合うのだろう、と。
「焼きそば」
「ふふっりょーかい」
声も、髪も、目も、言葉も。
何1つ同じものなんてないのに、Aは財前を瞼に浮かべる。
『もうちっと女らしいもん食えや』
なぜ、こんな時に思い出すのか。
戸惑いつつもAは必死に笑った。
「なぁ、柳と千恵2人にしてやらんか?」
小声でそう切り出したのは仁王。
Aは一瞬、え?と思った。
Aも2人きりにしてあげたいと思ってはいたものの、仁王の手前実行に移せずにいたのだ。
にも関わらず言い出したのは仁王で、それに驚きを隠せない。
「付き合いたてなのに可哀想じゃろ」
Aの想いを汲み取るように優しく笑った仁王の瞳は吹っ切れているようだった。
「チョコバナナを食い終えたら赤也とブンちゃんとジャッカルがトイレに行く、それを真田に追いかけさせて俺と柳生も後を追うから、幸村とAは後から適当な事言ってトイレで合流じゃ」
手早く告げた仁王は、既に作戦を伝えられニヤニヤしているメンツの元へ戻って行く。
「雅治は、強いね」
その背中にAは思わず呟いた。
「そうだね」
相槌を交わした2人は息を吐くように笑みを浮かべる。
自分の気持ちを押し殺すなど簡単に出来ることではない。
人を笑顔にする分自分の心を殺すのだから。
それが出来る仁王はきっと誰よりも強い心を持っているのだろう。
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SHINO(プロフ) - スノウさん» スノウ様!いつもコメントありがとうございます。スノウ様のコメントは本当に何度も読み返してはニヤけてしまって、とても力をいただいています。そうですね、私も主人公の気持ちをやっと書けたので嬉しいです。笑 どうか最後までお付き合いください。 (2017年4月20日 15時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます。気をつけている事に気付いてくださって嬉しいです。fifthの表紙もありがとうございました。申請を出したので使わせていただきます!これからどのような展開になるかは秘密ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年4月20日 15時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
スノウ - おつかれさまです!ついに主人公ちゃんから好き、という素直な気持ちが聞けて嬉しいのと同時に、これから彼女がどのように生きていくのか、不安なような楽しみなような。続編待ってます(^^*) (2017年4月18日 23時) (レス) id: 9bbfe87ee5 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - お疲れ様です。続編も楽しみにしています。SHINOさんの花火を空が泣くと表現するところや、情景は目に浮かぶのに感情は明かさないようにするところとか本当に好きです。これからも頑張ってください。 (2017年4月18日 20時) (レス) id: 41f82b2237 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - Yさん» コメントありがとうございます!儚さは私の意識している点でもあるのでとても嬉しいです。終わりを残念だと感じていただけるような作品をかけてよかったです。ですが、まだ終わりそうもないので引き続きお付き合いください。笑 応援、本当にありがとうございます。 (2017年4月16日 16時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2016年9月8日 17時