夜兎族最強の子が大正時代に行った件について 其ノ二

七十六話 ページ45

『何で、そう思った？』


縁｢こっちに来た奴らについて考えてみた。俺、兄貴、A、夜曇。あと、Aの言ってた佐々木。そいつらの死因を考えると…｣


『…私は、虚ろに殺された…縁は、あの戦争で…佐々木も、私達を逃がすために自ら…』


蓮｢んで、俺は夜曇に殺された、夜曇は俺に殺された｣


縁｢…でだ。なぁA、もしかして、××って…｣



…………。



『………あぁ、恐らく、転生…だろうな』


縁｢なら、尚更確証が出来た。兄貴と××は夜曇に殺された。だから転生。残りの俺達は死因に直接夜曇が関わってない。だから転移。それが俺の考えだ｣



…確かに、それなら説明がつく、が……



『何故夜曇が関係するんだ…？そんなに重要な奴だろうか…』


蓮｢あれ、ていうか佐々木って転生じゃねぇのか？｣


『いや、あいつの場合、元は記憶無しの一般人だった筈だ。そこに前世の佐々木異三郎が憑依って形なんだろう。まぁ、結局御館様の護衛なんだから、一般人ではないがな』


縁｢……なぁ、これはあくまで可能性の話なんだが…｣


『？』



私と蓮が縁の方を見ると、縁は言いにくそうに、こう言った。



縁｢…………"麗"が、俺達をここへ送った可能性は……ないか…？｣


『……ぇ…』



……麗、が…？



蓮｢…まぁ、有り得なくは無い。現にあいつ、来てねぇだろ？こっちに。あいつも夜曇に殺された側だし、来てるとしたら転生組だ｣


縁｢もしかしたら、記憶を無くして生きてるってことも…ありうるよな｣


『…………』


蓮｢……。あー……A、お前はもうそろそろ寝たらどうだ？ほら、お前柱だから休みあんまり取れてねぇだろ。春ちゃんや凛ちゃんも不審に思うかもしれねぇし、な？｣


『え、あ、あぁ。そうさせてもらおう、か。……おやすみ、二人共』


蓮｢おぅ。おやすみ｣


縁｢ん｣



ｶﾞﾗｯﾊﾞﾀﾝｯ


……



『…はぁ』ｽﾄﾝｯ



気を遣わせてしまったかな…


急に彼奴の名前が出てきたから驚いたが、まさかな…



『…もし、麗が生きていたとして……』



……彼奴は、今の私を認めてくれるだろうか。

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