夜兎族最強の子が大正時代に行った件について 其ノ二

七十五話 ページ44

『私の死因は単純だ。虚の攻撃から神楽を庇って、腹貫かれて死んだ。以上』


蓮｢……｣


縁｢…虚って誰だ？｣



そこ説明面倒なんだよな…



『あー…… 虚は、アルタナっていう巨大なエネルギーで不死になって、500年間殺戮の日々を生き続けてる男…だな。簡単に言うと』


縁｢そんな奴と戦ったのかよお前…んで、神楽って言ったな…そいつはなんか、覚えがあるぞ。お前が任務で町から離れた時、懐かれたって言ってた兄妹の妹の方…だよな？｣



よく覚えてたな…


…で、さっきから黙りを決め込んでいる奴が一人…



『蓮、急に黙ってどうした？』


蓮｢…んっ？あ、いや、俺一応、新八君からの手紙でその辺は聞いてたんだが…やっぱ、本人から聞くとまた違うな…｣



…………。



縁｢…あー、で？兄貴は何で死んだんだよ｣


蓮｢……簡潔に言うと、"夜曇と相打ちになった"｣


縁｢『……は？』｣



え、は、あ？


夜曇と、相打ち…？



『相打ちぃ！？』


蓮｢うぉっ、しーっ、しーーっ！！二人が起きちまうだろ！｣


『あ、あぁ、すまない』


縁｢…何で夜曇と相打ちなんかしたんだよ……｣


蓮｢いや俺だって、死にたかったわけじゃねぇよ？でもなんか、こう…お前ら皆死んじまってさ、最年長の俺が何故か生き残っちまったから…

…自分に何が出来るだろう、って、考えて過ごしてたら……偶然(･･)夜曇に会ってな？"こいつ殺したら、敵討ち出来っかな"って…そしたら、相打ちになった。……こんな感じだ｣



…何程な



『…つまり、夜曇と蓮は同時期にこっちに来たわけか』


蓮｢そうなるな｣


縁｢……なぁ、ここに来る奴ってよ、"転生"か"転移"かで分かれてるよな？｣


蓮｢ん？あぁ、そう…だな｣



確かにな……



縁｢その条件だけなら、分かった気がするぞ｣


『！本当か』


縁｢あぁ。…"転生"は、夜曇に殺された者(････････)、"転移"は、別の原因で死んだ者(･････････)。多分、この分け方だ｣

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