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125. 2 side ページ25

リハが終わって楽屋に戻るともうミツは着替えていた


『終わった?
 いこーぜ。』

『え?
 あ、ちょっと着替えるから待って。』

他のメンバーはもう帰っていたり次の仕事に行っていた

時々部屋の前をパタパタと人が通ると
Aさんじゃないかと気になってチラチラと見てしまうけどAさんが通ることはなかった


店まではマネージャーが送ってくれた


『いらっしゃいませー。
 お待ちしておりました。』


個室に通されると


『生2つとー……、上タン塩と上カルビ、上ロース、上ハラミ2何前ずつ。
 あとキムチとニンニクのホイル焼きお願いします。』

ここでもやっぱり俺の意見は聞かずにミツはさくさく頼む

『お待たせしましたー。』

ビールが届くと
『お疲れーっす。』
ってカチンとビールをぶつけて
飲み始める

肉が届くとミツは肉を焼き始めた

俺が夜はあんまり食べないことも知ってるから3枚に1枚のペースで俺の皿へ肉を置いてくれて
キムチは俺の方へと寄せてくれる

しばらく無言で食べて飲んでいたけど
突然ミツが口を開いた

『で?
 Aさんとなんかあった?』


グッ…………ゲホッ!
ゴホゴホゴホッ!!

まさかAさんの名前が出てくると思ってなかったからビールが変なところに入って咽せてしまった

『え?
 なんで?』

涙目になりながらミツに答えた

『なんか不機嫌そうだったし?』

『いや…….なんでAさん?』

『………聞いてない?
 北海道公演の時、俺らのフロアでAさんに会ったんだけど。
 ってかその前からなんとなくそうかなとは思ってたけど。
 お前、分かりやすいし。』


……聞いてないし

ってかその前から?
分かってた?


やっぱりミツはなんでもお見通しってやつなんだな
ミツに隠し事は不可能なんだと改めて痛感した



『………大丈夫。
 もう、終わったから。』


自分の口から出た言葉に傷付いていた


終わったことだから………


そう自分に言い聞かせた


『そうなの?
 その割になんかスッキリしてなさそうじゃん。笑』

ってミツは笑った


……………



……………



『どーせまた自分1人で抱え込んでんだろ?
 俺でよければ聞くから。
 ほら、話してみ?』


俺が何も言わないから
ミツがそうやって俺の頑なな心を優しくほぐした


やっぱりミツには敵わない

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桃マスカット(プロフ) - yuzu_さん» コメントありがとうございます!すっごく励みになって嬉しいです😆 (5月19日 6時) (レス) id: fece4bf8d8 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - nanacoさん» nanacoちゃん😍nanacoちゃんにそう言ってもらえると嬉しい!❤️キス マイの絆的なの大好物だから🤗ニカ玉とのラブラブ書いてて楽しかったー💛💚 (5月19日 6時) (レス) id: fece4bf8d8 (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました…! (5月19日 0時) (レス) @page50 id: 432ace2b7e (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 完結おめでとうございます🥹💚面白かった~✨️ニカちゃんターンも玉ちゃんターンもどっちもキュンキュンしたし、ライバルだけどお互いに仲間として大切に想ってるニカ玉の絆も素敵だった…🥲また読み返します😍 (5月18日 22時) (レス) id: 8d850e86a4 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - merさん» ありがとうございます😚💚 (2023年4月27日 22時) (レス) id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桃マスカット | 作成日時:2023年3月23日 21時

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