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122. 2 side ページ22

俺の腕にぴったりと寄り添うAさんがとても愛しく感じた


このまま今日、俺の部屋に泊まってくかな?


って思って左手でAさんの右手を握ろうとした時に

「あの……
 ちょっとお話があるんです。」

ってAさんが言った
一瞬だけ動かした左手を元の位置に戻して

『何?』

って聞き返した
Aさんは首を少し傾げて俺の方を見て
そっと俺と手を繋ぐようにした


……………




……………




数秒の沈黙



……………




……………



「私………二階堂さんのことが好きです。」



Aさんは照れたような笑顔でそう言った
思わず可愛くて胸がキュンとなるってこう言うことかと思った


これは『俺も。』って言うべきなのか?
って考えた瞬間にAさんが言葉を続けた






「だから………もうこの関係もやめますね。」





え………




「ほんとはもっと前に好きになってた。
 だからもっと早くこの関係を終わらせなきゃいけなかったのに……黙ってたらいっかって黙ってました。
 ズルいですよね。
 ……ごめんなさい。」


そうだ

俺が好きになったらやめるって言ったんだ

けど………




これで終わり?



そう思うと……
胸がギュッとなった

繋がれているAさんの右手を俺の左手の親指で優しく撫でた

あぁ、この手を離さなきゃいけないのか

離したくない気持ちが溢れていた

………もしかしたら
これを最後にタマと付き合うのか?

って考えが急によぎった



………もしそうなら俺にAさんを引き止める権利なんてなかった



「私、二階堂さんの仕事に対する考え方をすごく尊敬してます。
 アイドル二階堂 高嗣が好きです。」

ふふふってちょっと照れたように笑いながらAさんがそう言った

「だから、それを応援したくて。」

Aさんが真っ直ぐな瞳で俺を見つめた

『……わかった。』

俺はそう答えるしかなかった

Aさんの瞳がゆらりと一瞬揺れたけど
すぐにまた真っ直ぐに戻った


「二階堂さんと過ごした時間楽しかったです。
 ……今までありがとうございました。」

『いや。
 俺も楽しかったよ。』


終わりに近付いてるのをひしひしと感じて急激に寂しさが溢れてきた


Aさんはベッドから立ち上がると
脱ぎ捨ててあった洋服を拾って着始めた


あぁもう終わる

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桃マスカット(プロフ) - yuzu_さん» コメントありがとうございます!すっごく励みになって嬉しいです😆 (5月19日 6時) (レス) id: fece4bf8d8 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - nanacoさん» nanacoちゃん😍nanacoちゃんにそう言ってもらえると嬉しい!❤️キス マイの絆的なの大好物だから🤗ニカ玉とのラブラブ書いてて楽しかったー💛💚 (5月19日 6時) (レス) id: fece4bf8d8 (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました…! (5月19日 0時) (レス) @page50 id: 432ace2b7e (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 完結おめでとうございます🥹💚面白かった~✨️ニカちゃんターンも玉ちゃんターンもどっちもキュンキュンしたし、ライバルだけどお互いに仲間として大切に想ってるニカ玉の絆も素敵だった…🥲また読み返します😍 (5月18日 22時) (レス) id: 8d850e86a4 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - merさん» ありがとうございます😚💚 (2023年4月27日 22時) (レス) id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桃マスカット | 作成日時:2023年3月23日 21時

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