君を見てる ３

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『じゃ、こっち』

藤ヶ谷くんに手を引かれ寝室へ


そこはリビングなんかよりももっと藤ヶ谷くんの香りが強くて
ますます藤ヶ谷くんの色気に捕まる気がした



…私、大丈夫だろうか
耐えられる？



部屋に入ってすぐのところでちょっと戸惑っていたら


『どしたの？
　おいで。』


ベッドの上から藤ヶ谷くんに呼ばれた


覚悟を決めて藤ヶ谷くんの隣へ



『寝よっか。』


グイッと引き寄せられて
抱きしめられる形で倒される



「…腕枕しんどくない？」



『疲れたら体勢変えるから大丈夫。』



近い…



目の前に藤ヶ谷くんの顔



どんなに手を伸ばしても届かなかったあなたが今はすぐ目の前にいるなんて…
信じられない


けど私はあなたの寂しさを埋めるだけの存在


いつもの藤ヶ谷くんに戻ってくれるならそれでいい


藤ヶ谷くんの頭をヨシヨシと撫でる


『ふっ。
　何それ。』


「え？
　落ち着くかなと思って。」


『なだめてんの？
　逆効果だよ？
　俺のこと煽ってんのかなって思うよ？』


「へ？」



『さっきの続き…する？』


また藤ヶ谷くんの眼が熱を浴びる
完全にオスの眼


「ふぇ？！」


思わず変な声が出る


『ははっ。
　ウソだよ。』


あ。
元に戻った。


「もう、お願いだからからかわないで。」


さっきから心臓がもちそうにない
壊れそう


『からかってるつもりはないよ。
　俺だって必死で耐えてる。
　Aに嫌な思いはさせたくないから。』



…



もう藤ヶ谷くんの気持ちがわからない



流されてしまった方が楽なのかもと言う思いと
流されたら戻れないなって言う思いが
私の中で激しく戦っている

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