君を見てる ３

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『いや…あの日ちょっとやり過ぎたなって…
　反省してる。』

あの日？

『つい…Aのこと知ってんのはお前だけじゃないんだぞって思って…
　余計なこと言ったよな、俺。
　研修旅行の時に部屋から出てきた二階堂に完全にヤキモチ焼いたんだ。』


「ふふ。
　藤ヶ谷くんってヤキモチ焼くの？
　すごい意外なんだけど。」


『そうかな？
　俺めっちゃヤキモチ焼くよ？
　だから俺のあの一言でAにも二階堂にも嫌な思いさせたなってすげぇ反省してる。』


「しょうがないよ…
　ほんとのことだもん。
　遅かれ早かれ二階堂くんは事実を知ってしまったんだろうし。」


『けど今、険悪な感じだろ？』



「ん…
　まぁでも付き合ってたわけじゃない…から。」


自分で言って自分で傷付いてる


『じゃぁ今なら俺の入る隙間ある？』


「え…」



『俺、結構本気なんだけど？
　俺のこともちょっと考えてくれる？』


そう言って私のほっぺをツンとつつく

一瞬にして空気が甘くなる

『卑怯なことしてるのはわかってる。
　けどそれでもAを手に入れたい。』



…卑怯なことしてるのは私も一緒


二階堂くんを傷付けた上に
どちらの気持ちにも応えられないでいる


それでも決められない


『ま、すぐには無理だろうから時間かけるわ。』


藤ヶ谷くんも二階堂くんと同じようなことを言う


私はどれだけ2人を振り回してるんだろう

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