Deep Red Singer (ページ4)

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『じゃ、明日。
　お疲れさま！』

「ありがとうございましたー！
　おやすみなさい。」

『おやすみー！』

車を降りて田中さんにお礼を言うとマンションの中へと入った
1番初めの時に車が出るのを見送ろうとして
『こう言う時は先にAがマンション入るんだよ！』
って言われた

一応デビューしている身

何があるか分からないから見送るのはマネージャー側だ
と何回も強く言われた

デビューしてても売れてないから全くそんな意識はないけど
危機管理は大事だから！
と何度も教えられた

そんなマネージャーだから私は田中さんに全信頼を置いていた

部屋に戻るとすぐにシャワーに直行した
ベタベタと触られた場所をとにかく早く洗い流したかった

心を無にして体をゴシゴシと洗い流した

社長に呼ばれた理由が気になったが
考えたところで分かるはずもない

シャワーを終えてお肌の手入れをして
そのままベッドへダイブ

しばらく
なんで呼ばれた？
って理由を考えていたけど……
気付けばすぐに眠っていた

.

.

.

ゆっくりと目を開けると部屋はもう明るくなっていた
最近はいつもアラームよりも先に目が覚める

近くに放り投げていたケータイを掴んで時間を確認すると8時前だった
4時間ほどしか眠れていない

「もうちょっと眠れるんだけどな……。」

1度目が覚めるともう眠れないタイプの私はもう起きることにした

「2時間くらいあるのか。」

とりあえず朝ごはんを食べよう

冷凍していたベーグルをチンして大好きなクリームチーズをたっぷりと挟む
あとは暖かいカフェラテ

お行儀が悪いのは分かっていたけど
ケータイを触りながら朝ごはんをパクパクと頬張った

それから洗濯機を回して
掃除機をかけて……

メイクをし始めた頃には結構ギリギリで

焦りながら準備をしていたら
田中さんからLINEが来た

『あと15分くらいで着くよ！』

ヤバい！

ヘアセットは諦めて
慌てて髪をポニーテールにまとめた