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「はい。」



ダイニングテーブルの上にコーヒーを置いて


「朝ごはん、何か食べる?」
って北山さんに聞くと

『いや……俺、1日1食しか食べないから。』
って答えが返ってきた


「え?!
 そうなの?」

『うん。
 俺、太りやすいんだよ。』


さらりとそう言うけど……
すごいプロ根性だと思った


こう言うとこ 見習わなくちゃな


って思いながら私は朝ごはんの塩パンにかぶりついていた


…明日からはもっとヘルシーな朝ごはんにしよう



『今日は仕事?』


「今日はボイトレとダンスレッスン。」


『そっか。
 んじゃ、今日は共同生活スタートのお祝いしようぜ。
 俺も19時には帰ってくるから。』

「え?
 いいの?」

『うん。
 料理できんの?』

「す、少しくらいは……。」

『材料買ってくるからよろしくー。』

「え?!
 簡単なものにしてよ?!」

『ぬはは!
 分かってるって!』


こうして夜はこの2人の生活のお祝いをすることになった


……なんだかこう言う約束ができるってちょっと嬉しいなって思った



.




.




今日は私の方が先に家を出たんだけど
北山さんはわざわざ玄関まで見送ってくれた


「え。いいですよ?!」


『いや……昨日送ってくれてなんか嬉しかったから。』


ってちょっと照れて笑った北山さん
……なんかかわいいって思った


「……ありがと。
 行ってきます。」


『ん。
 行ってらっしゃい。』

って手を振ってくれたから
私も手をちょっと振ってそれに応えた


パタンってドアが閉まった後に
誰かに『行ってらっしゃい』って言ってもらえるのっていいなって思って思わず頬が緩んだ



これからもお見送りができる時はしよう

そう心に決めた

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作者名:桃マスカット | 作成日時:2023年8月2日 14時

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