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「私がソファで寝るようにするからミツはちゃんとベッドに寝て?」



私なんかより全然仕事が多いんだしちゃんと寝てもらわないと仕事に支障が出てしまう


『いや、女の子をソファに寝かせるとか流石にできないっしょ。』


「でも……。」


私の言葉を遮るように北山さんが
『あーー………、
 昨日はさ………
 帰ってきたらAがもう寝てたから。』
って言いにくそうに言った

「え?」

『目が覚めていきなり俺が横に寝てたらビビるっしょ?』


………え?


「でも……ベッドひとつしかないからそこで寝るしかない……よね?」


『まぁそうなんだけどさ。
 行く前に許可もらったけばよかったけど許可もらってなかったじゃん。笑』


「え?!
 いや、私はミツさえ良ければ全然大丈夫……です。」


『ぬはは!
 じゃぁ、今日からはA寝てても横で寝ていい?』


「うん。
 ソファで寝てもらうより全然その方がいい。」


『ん。
 じゃぁ、そうする。』


そう言って北山さんはふふんと笑った



こんなに気を遣ってくれてるの?


そのことに驚いた


……だって私は社長から同棲してこいって言われた時点でいろいろと覚悟はしてきた
昨日は遅くなるって言われて正直ホッとしたけど……
いずれはそう言う関係になるんだろうって思ってたし


黙って許可なく横になることすら躊躇ってくれる北山さんに私は安堵した


……この人はきっと私が嫌がることはしない気がする


そこで私は気になっていた事を聞いてみることにした



「あの……ミツ?」


『ん?』


「私…….社長から同棲しろって言われて……
 その……体の関係?もあるのかなって思ってたんだけど……。」

あぁ……私はなんて事を聞いてるんだろう


恥ずかしくて顔が熱くなっていくのを感じた


『あー………。
 うん。そう聞いてんだけどさ……。』


北山さんはポリポリと頭を掻くと
一瞬目を逸らしてまたチラリと私の方を向いた


『俺、後腐れない子か……ちゃんと好きな子としかそーいうのしないから……
 だから安心して?
 無理矢理とかそんな趣味ねーし。』

ってちょっと困ったように笑った

その言葉を聞いてホッとした

『だからさ、仲良く共同生活しようぜ。』

って北山さんは立ち上がって私の方に歩いてきて
私の頭を軽くポンって撫でてニッて笑った


『コーヒー、淹れてくれる?』



「あ、うん!」




……よかった



コーヒーを淹れながら私は安心していた

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作者名:桃マスカット | 作成日時:2023年8月2日 14時

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