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12. ページ12

『仕事は、アイドルやってます。』
って得意であろうアイドルスマイルで笑った


「ふふ。
 知ってます。」

『あ、それは知ってた?笑』

ってくしゃって笑った

『じゃ、Aちゃん自己紹介して?』

「あー、、、
 えっと……
 磯田Aです。
 23歳です。
 一応……歌、歌ってます。」

『あはは!
 一応?』

まだ売れてもいない自分をアーティストなんて言えなくて
【一応】って付けたことを北山さんに茶化された

「えへへ。
 【一応】です。」

北山さんは照れ笑いをした私を
『ちゃんとCDデビューしてんだから一応なんて言わなくてちゃんと自信持ちな?』
って優しく嗜めた

「あ………はい。
 すみません……。」

少しシュンとしてしまった私に気を遣ったのか

『いや、でもAちゃん若いんだね。
 23歳かー……。』
ってちょっと困ったように笑った

『ごめんね、こんなおじさんと同棲とか。』

「え!
 全然おじさんじゃないです!
 北山さんめっちゃ若く見えます!」

って全力で手を振った

『ぬはは!
 ありがと!』

そしてまたくしゃっと笑った

『……これから一緒に暮らすんだからさ、北山さんは距離感じない?
 宏光って呼んでよ。』

「えぇ?!
 呼べないです!」

『えー?
 北山さんじゃ仕事みたいなんだけど。。。』

ってテーブルに肘をついて頬杖をついた北山さんが私を下から覗き込んだ


「……初対面で呼び捨てなんて無理です。」


『えーーー。
 でも北山さんはヤダ。』

ってほっぺをプクって膨らませるからリスみたいで笑ってしまった


「ふふ。
 えー……ファンの方からはなんで呼ばれてるんですか?」

『……みつ?
 あとは、みっくんとか?』


みっくん………

そんなかわいい呼ばれ方してるんだ


「……みっくん。」

試しに口にしてみたけど
なんか私のキャラじゃなさすぎて
急激に顔の温度が上がる気がした

『お。
 そう呼ぶ?』

いや、無理無理無理!
そんなかわいいキャラじゃない

「……みつ。」

うん
こっちかな


「みつって呼びます。」

『ん、じゃぁそれで。』

まだ全然慣れないけど、みっくんよりはまだしっくりくる

『あと敬語も辞めで。』

「分かりました。」

『ほら、それ。』

「あ………分かった………。」


これはしばらく慣れるまで違和感しか感じなさそうだ

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作者名:桃マスカット | 作成日時:2023年8月2日 14時

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