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マネージャーさん達は一通りの説明をすると
次の仕事へと出掛けていった



部屋には私と北山さんが残されていた


『さて、とりあえず座って自己紹介でもしよっか?
 コーヒーでも飲む?』

「あ、私やります。」

キッチンに向かう北山さんをパタパタと追いかけた


キッチンにも最新の家電が揃っていて……
このお家はまるでモデルハウスのようだった

カプセル式のコーヒーメーカーがあったので
私はキャラメルラテをもらうことにした

「北山さんは何飲まれますか?」

『俺はブラックで。』

マグカップにそれぞれ入れてまたリビングに戻ろうとしたらマグカップの乗ったトレーをサッと北山さんが持った

「あ、持ちますよ!」

『いいから、いいから。
 リビングのドア開けて?』

「あ……はい!」

北山さんの前に回ってドアを開けると

『サンキュ。』

って言ってテーブルまでコーヒーを運んでくれた

『はい、どうぞ。』

私の前にコーヒーを置いてくれる

「ありがとうございます。」


向かい合わせにテーブルに座ってコーヒーを飲む


緊張して何も喋れない……
どうしよう……と思っていたら
北山さんから話し始めた

『じゃ、自己紹介しよっかな。
 俺のことは知ってる?』

「はい!
 もちろん。
 なんですけど……ごめんなさい。
 詳しくは………分からないです。」

『ぬはは!
 だよな?
 これから一緒に暮らしていくんだからある程度のことは知ってもらわないとね。』

北山さんはこの奇妙な同棲生活についてなんとも思ってないんだろうか?
緊張している私とは裏腹になんだか楽しんでさえいるようだった


『名前は北山宏光。
 歳は35歳。』


「えっ?!」


『え?』


「ご、ごめんなさい。
 もう少し若いと思ってたので……。」


『うっそ。
 それはそれで嬉しいけど。』

ってちょっとはにかんだように彼は笑った


ほんとに28-9歳くらいだと思ってたんだもん……
え?
35歳?
私より一回りも年上じゃん

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作者名:桃マスカット | 作成日時:2023年8月2日 14時

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