Deep Red Singer

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4枚目のシングル




「real Heart」



調べるまでもなくオリコンチャートには載っていない


載るはずもない枚数しか売れていなかった
配信ももちろんだ



「はぁ………。」



『ため息をつきたいのはこっちですよ。』

声をかけられて顔を上げるとマネージャーの田中さんが
呆れたように私を見下ろしていた


オーディションで優勝とまではいかなかったが
特別賞をもらって
1年間養成所に通い
その後デビューさせてもらった私


デビューシングルは「NO MORE 」
それなりに宣伝費をかけてもらってPRしてもらうも
新人にしてはちょっと良かったね止まり……


それ以降は宣伝費も削減されたので
小さなライブハウスやクラブでの営業での宣伝だけだったから

販売枚数も思うように伸びなかった


『私だって社長から発破掛けられてるんですからね。』

「ごめんね、田中さん。
　いつも私のことかばってくれてるの知ってるから……。」

田中さんはデビューする少し前から私のことを担当してくれている

『Aががんばってるのはわかってる。
　けどやっぱり数字が出ないことにはね……。』

「うん……。」


この世界では何よりも結果が大事だ

がんばることなんて当たり前だから


『あと、今日はTV局のプロデューサーさんとのお食事会よ。』


「…….わかりました。」


紹介と言う体でこうやって飲み会にも出席させられる

私はこう言う飲み会が苦手だ

ほんとは行きたくないけど顔を覚えてもらうために断ることはできない

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