#No! No! (ページ10)

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打ち合わせが終わったようで
スタッフさんがはけると玉森さんはすぐに席から立ち上がりこちらへ向かってスタスタと歩いてきた

『お待たせしてしまってすみません。
　玉森裕太です。
　よろしくお願いします。』

こちらも二階堂さんに負けず劣らず丁寧にご挨拶してくださり
深々と頭を下げられた

頭が上がってきた時にはくしゃっとした笑顔で

『MACOTOさん、ご無沙汰ですー！』

そう言った

『玉森さん、お久しぶりですね！
　去年のドラマ見てましたよ。』

『あはー。
　ありがとうございます。』

そう言って照れ笑いをした

、、、ほんとに仔犬みたいな人なんだな

玉森さんの第一印象はそんな感じだった

MACOTOさんは二階堂さんの時と同じように私を紹介してくれた

玉森さんはチラッと私の方を見て
『よろしくお願いします。』
とニコッと微笑んでくれた

………が、それ以降ほとんど目が合うことはなかった

衣装のコンセプトやイメージの説明をしてくださる間も向かって話しているのはMACOTOさん

あれ？
私知らない間に透明人間にでもなった？

なんて冗談が思い浮かんだけど、、、

本当のところは
………正直私はスタッフとして認められてない？

そんな不安に駆られた

そらそうだよね
ただのアシスタントだもんね………

ちょっとへこんだけど………

MACOTOさんがいない間は私がメインで仕事をさせてもらうってさっき知ったし
認めてもらえるように努力しないとと思った

『コンセプトは決まってますけど、
　これじゃないとってイメージがあるわけではないのであとはリハとかでメンバーと話し合ってどんな感じにするのか決めてもらったんで構いませんから。
　個人の好みもあると思うし。
　よろしくお願いします。』

『了解です。
　そしたら……今後、Aをリハや打ち合わせに入らせてもらっていいですか？
　僕は毎回の参加は厳しいので。』

『もちろん大丈夫です。』

『何もない時には雑用係で使っていただいて構いませんので。』

『はは。
　いいんですか？』

チラリとコチラを見た玉森さん

「あ。もちろんです！
　なんでもおっしゃってください！」

『ふふ。
　じゃ、よろしくお願いします。』

こうして私はこの日から
キスマイさんに付くことが決まった