#No! No!

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「すみません。
　BCM事務所と申しますが、Dスタジオはどちらになりますか？」


スタジオの入り口でそう尋ねると受付の方は内線電話で中の人と確認を取ってくれた


『こちらになります。』

案内図で説明をしていただき
中へと入った


スタジオなんて初めてでドアを開ける時にかなり緊張した


「……失礼しまーす。」


気持ち小さめの声でそう言ってゆっくりと中へ入った



幸い撮影中ではなく休憩中のようだった


どうしたらいいのかよくわからずキョロキョロと周りを見渡していると


『もしかして……今日から採用の島田Aさん？』


そう言って声をかけてくれた……女の人？
けど身長が明らかに180cmは超えていた


「あ、はい！
　島田Aです。」


『よかった。
　私もMACOTOさんのアシスタントなの。
　梅田翔吾って言います♡
　うめたんって呼んでね！』


……翔吾さん


男の人名前だけど
その人はどこからどう見てもキレイなギャルのお姉さんだった


頭の中が整理しきれないけど
うめたんさんは話し続けた


『差し入れ持ってきてくれたんだよね？
　預かるね。
　ご挨拶だけして行って？』


私から紙袋を受け取ると休憩中と思われるモデルさんとカメラマンさんに向かって歩いて行った


私も慌ててついて行く


『お疲れさまです！
　MACOTOさんからの差し入れが届きました♡』


『ありがとうございますー！』


『いつもすみません。』


どうしていいかわからずにうめたんさんの後ろにただ立っていた



『あ、この子今日からMACOTOさんのアシスタントになった島田Aちゃんです。
　またお世話になるかもしれませんのでよろしくお願いしまーす。』


急に紹介を受けてまた慌てた


「島田Aです。
　よろしくお願いします！」


『よろしくねー。』


『差し入れありがとうございますー。』


みなさんそう言ってくださった



『じゃ、これ事務所の方に持って帰っておいてくれる？』


そう言ってうめたんさんから封筒を受け取った


「分かりました。」


私は即座に次の仕事に向かった



初日はペースもわからずバタバタで………




結局お昼を食べ損ねてしまった

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