#No! No!

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ホットプレートに乗ったチーズのふちがフツフツと小さく音を立て始めた


『お。
　そろそろいけるかも。』

そう言いながらチーズをくるりとかき混ぜ
そこに二階堂さんは白ワインを注いだ


『あ。
　聞く前に入れちゃった。
　ワイン大丈夫だった？』


「大丈夫です。」


ワイン、大好きだけど
私にとって危険な飲み物だった


記憶を無くすほど酔う時はだいたいワインが原因だった


けど………

チーズフォンデュに入ってるくらいなら大丈夫でしょ

飲む量は控えるようにしよう



『はい。』


残ったワインをグラスに注いでくれて
私にフォークを渡してくれた


『好きなやつ刺してチーズに付けて食べて。』


「ありがとうございます。
　いただきます！」

私はまず食パンをチーズに付けて一口でパクッと頬張った



「あっつ………ハフ……。」


ハフハフ言いながら
モグモグと飲み込んだ


「美味しい！」


『でしょ？！
　このバルコニーの雰囲気も相まって最高なんだよねー！』

そう言いながら二階堂さんは白ワインをクイッと飲んだ


確かにこの外の雰囲気は最高だ

チーズフォンデュをつまみにちびちびと飲みながら
少しずつ酔いも回り始め二階堂さんとの話も弾み始めた



酔った勢いで聞いちゃえと

「二階堂さんって、LIVEの演出されてるって知らなかったです。
　そう言うのお好きだったんですか？」


『いや……
　好きって言うかね……
　前はミツがやってたんだけど、
　お前やってみねぇ？って言われて始めたんだよ。
　最初はミツと一緒に始めたんだけど、これが楽しくてさ。
　予算とか現実的に無理なこととか色々あるんだけどその中での限界を探すのとか楽しくて。
　ファンが楽しんでくれるのを見るのも嬉しくてさ。』


笑顔で饒舌に話す彼を見ていると
心からLIVE演出を楽しんでいることが伝わった



「ふふ。
　ほんとに好きなんですね。」


『うん。
　楽しい！』


そう言ってニッと笑った


「すごい失礼なんですけど、
　まさかアイドル本人が演出してるなんて思ってなかったです。
　だってお忙しいじゃないですか。」


『いや、俺1番暇だから。笑』


「もう、またそんなこと言うけど絶対そんなわけないですから！」


またいつものように自虐ネタで笑わそうとする

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