#No! No!

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『って言っても今日は肉用意してないからさ。
　簡単なもんでいい？』



「もちろん、もちろん。
　むしろご馳走になってすみません。」


二階堂さんはスタスタとキッチンに向かって歩いて行った


「何か手伝うことあります？」


『んじゃ、運ぶの手伝って。
　えーっと、、、
　こっち。』


キッチンの後ろの扉を開けてホットプレートを出した


……そう言えば二階堂さんのおうちにはダイニングテーブルがない


「いつもどうやってごはん食べてるんですか？」


『え？
　カウンターで立ったまま。』


「えぇ？！
　ウソでしょ？」


『ウソじゃないって！
　俺、座る時間がもったいないって思う人間なの。』


じゃぁ………
私も立ったまま食べるってこと？


そう思っていると……


『1日オフとかでゆっくりしたい時はこっち。』


ホットプレートを持って二階堂さんが向かった先はリビングにあった窓
そこを開けると広いバルコニーが広がっていた


「めっちゃ広い。」


『いいでしょ？
　これが気に入ってこのマンションにしたんだよね。』


テーブルとイスがセットしてあって
BBQでもできそうな雰囲気だった



リビングから延長コードを引っ張ってきてホットプレートも設置完了


そこからキッチンに戻ると
二階堂さんは冷蔵庫からカマンベールチーズを出した


『チーズ食べれる？』


「好きです！」


なんで知ってるの？って思うくらい実はチーズ好きな私

『よかった。
　チーズフォンデュしよっかなって思って。』

チーズをアルミホイルでくるんで上を丸く切り取って
また冷蔵庫から色々と材料を出した

ウインナー、茹で野菜、食パン、それにミニトマト

『こんなもんかな。
　はい、持って？』

材料を私に渡すと
二階堂さんはコップや食器を持って一緒にバルコニーに向かった


チーズをホットプレートにセットしてスイッチを入れると

『ちょっと待ってて？』


そう言ってまた部屋の中に戻って行った



待っている間

私はボーッと空を見ていた


辺りはすっかり暗くなっていた


風が吹くとヒヤッとして


ロンTだけだとちょっと寒いかも……



そう思っていた時に

『はい。』

バサッと肩から何かをかけられた


『夜だし寒いっしょ。』


良く見るとそれはパーカーとブランケットだった


「ありがとうございます。」


『ん。』


そう言って口をキュッと結ぶ二階堂さんは
ちょっと照れているようだった

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