#No! No!

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いつも通り向かい合って食事をする



『「いただきまーす。」』


『うん、うまっ。』


直哉はこのハンバーグが好き
って言っても煮込みハンバーグの素で作るから
私の味って訳ではないんだけど……

よく食べてくれる


あ。
そうだ！
言わなくちゃ………



「あのさ、直哉。
　言わなきゃいけないことがあるんだ。」



『ん？何？』



「私、転職することになったの。」



『え？』

食べすすめていた手が一瞬止まったが、
また一口ごはんを頬張って直哉は話を続けた

『お店変わるの？
　今のところ、店長さんとか先輩とか良くしてくれるって言ってたから不満とかないのかと思ってたけど……。』


「うん。
　今のお店にはぜーんぜん不満はないんだけど……
　ずっとやりたかったことがあるって前に話したことあるの覚えてる？」


『うーん……
　やりたい事ってなんだっけ？』


直哉には話したことはあったが日常会話の中で簡単に話しただけだったし覚えてはいなかったようだ


「私、メイクアップアーティストになりたいと思ってたの。
　今回、憧れてた人のアシスタントに採用されて……
　それで1ヶ月後にはそちらで働き始める予定なの。」


そこまで言うと
直哉の顔が変わった


『……メイクアップアーティストって………
　芸能人とかモデルとかそう言う人のメイクをする人だっけ？』


「うん。
　アシスタントとして働くからまだそんな華やかな世界ではないだろうけど。笑」


そう言って笑ったけど
直哉の顔は真剣なままだった



『………あのさ…………
　その転職の話ってもう決まってること？』




「うん。
　この前採用通知もらったの。」








『………なんで。』







「え？」








『なんでそんな大事なこと、
　前もって相談してくれなかったの？』

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