#No! No!

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二階堂さんは私の爪と顔を交互に見た


私は意図が分からず
ちょっと戸惑った

二階堂さんは自分で絆創膏を貼ろうとしていたが
利き手だったこともありやりにくそうだった

「あ、貼りにくいですよね？
　お手伝いしましょうか？」

そう言ってお手伝いをすると


今度は二階堂さんは絆創膏をマジマジと見て……
その後また私をジロジロと見た



え………



何？



何なの？




自分でも怪訝な顔になりそうと思った瞬間に










『ねぇ。
　Aさんってさ………。』













『俺のこと好きなの？』












二階堂さんがとんでもないことを口にした




「…………はぁ？！」



思わず大きな声が出た



と同時に千賀さんが飲んでいた水を吹き出した


『……っぶは！！』



『わ………！！千ちゃん、汚い！』



『うわ、ごめん。玉！』


千賀さんが吐き出した水で玉森さんと宮田さんが被害を受け
その横では横尾さんと藤ヶ谷さんは目を丸くしてこちらを見ている

『ぬはっ！
　ニカ、何言ってんの？』


北山さんがそう言って笑った



『え？
　だって……
　緑の爪してるし、俺がケガして絆創膏くれて貼ってくれるし、
　俺のこと好きなのかなって。』



冗談かと思いきや
本人はいたって真面目そうだった





マジ？




………何言ってんの？この人



「バカなんじゃないの！」


と言いたい気持ちをグッと堪えて


「そんなことありませんよ。
　緑の爪は偶然ですし、
　絆創膏はケガをされていたので。」


と営業スマイルで対応した



『あぁ！
　そっか。単なる偶然？
　よかったー！』



よかった？？


好きになられたら困るってこと？


いや、すごい自惚れじゃない？


だし、それもそれで失礼じゃない？



…………変な人




「あはは、、、」


苦笑いになってないか心配だったけどとりあえず笑っておいた



アイドルだからってみんながみんな自分のこと好きだと思ってるのかな？

二階堂さんのことちょっと見直してたのに……



なんだか少しがっかりだな




私が二階堂さんを見る目がまた少し変わった

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