#No! No!

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二階堂さんは本当に毎回家に上がる人にはシャワーを浴びてもらっているようで
『ここから好きなの選んで着て。』
と洗面所の引き出しを開けると中にはいろんなサイズの新品のTシャツと短パンがギッチリと用意してあった


それを見て


あ、ほんとに潔癖なんだな


と思い


シャワーを浴びながら
さっきの自分の勘違いを思い出してますます恥ずかしくなった



シャワーから出て洗面所を出ようとすると
扉の前にはスリッパも用意してあって

これを履けってことだなってだんだん二階堂さんの言いたいことがわかってきた


そのスリッパを履いて
TVの音が聞こえる方へ行った


ドアを開けるとTVを見ながら立ったままでビールを飲んでいる二階堂さんがいた


「シャワー、ありがとうございました。
　タオルどうしたらいいですか？」


『あぁ、洗面所の洗濯機の横の白いカゴに入れといて。』


「分かりました。」


言われた通りにしてまたリビングに戻ると
TVの前にさっきまでなかった折りたたみ式の小さなテーブルが出されていた


『うち、テーブルとかソファとかないんだけどこれで大丈夫かな？』


言われてみれば広いリビングにはソファがなかった


「大丈夫です。
　…….いつもどこに座ってるんですか？」


素朴な疑問を口にした


『俺、あんまり座んないんだよね。』


「え？！
　そうなんですね。」


『ま、最悪座りたいならこうする感じ？
　はいどうぞ。』

テーブルの横にクッションを向い合わせに置いてくれて座れるようにしてくれた


「あ、ありがとうございます。」


私が座ると向かいに二階堂さんも座った


『じゃ、よろしく。』


そう言って慣れた感じで両手を差し出した


「では、失礼します。
　あんまり人にはしたことないので何か気になることがあればおっしゃってくださいね。」


頼まれて友達にはネイルケアや簡単なカラーはしたことがあったけど
男の人にすることなんてもちろん初めてで………


あ、違うな


直哉には練習台にはなってもらったっけ



ふとそんな思いがよぎったが……
慌てて頭の中で消し去った


直哉とは全然違う手で
男の人の手なのに細くて長くてすごくキレイだった


「長さは短めで大丈夫ですよね？」


『うん。
　痛くないギリギリにして。』


「はい。」

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