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『Aちゃん、そんなこと言わないの!』
チョンっとおでこを指で押されて
私は思わずおでこを手で押さえた
『私なんか。って言葉は禁止ね?』
「はい。」
私が返事をすると真剣だった顔から少し笑顔になってまた話を続けた
『俺もさ、昔はコンプレックスの塊だったんだよ。
よく、【俺なんか】って言ってた。』
……そんなこと知らないから意外な一面だった
『人と話す時も滑舌悪いしさ、仕事もなんか頭が堅いってよく言われてたな……。
あと、これは内緒にしときたかったんだけどめっちゃ歌が下手くそなんだよね。笑』
「え?!
そうなの?」
『あはは。
だからカラオケは苦手なんだ。』
恥ずかしそうに頭をかいた
その照れた顔がちょっとかわいい
『俺の同期に藤ヶ谷っているじゃん?
あいつがさ、俺には俺の良さがあるって教えてくれたんだよ。
俺の得意な面を仕事に生かすこととかアドバイスしてくれてさ。
そこから少し営業成績もよくなって。
だから少し自分に自信が持てたって言うのかな……
あとは………Aちゃんが俺のこと好きって言ってくれたのも………また自信につながったかな。』
そう言いながらまた渉くんは照れていた
『だから……Aちゃんにも自分に自信持ってほしいな。
俺はそのままのAちゃんが好きだから、
【私なんか】って言わないでよ。』
「ふふ。
うん!
ありがとう。」
渉くんに好きって言われたのが嬉しくて顔が緩んでしまう
ニマニマしながらご飯を完食した
途中で渉くんに顔が笑いすぎだと何回か突っ込まれてしまった
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作者名:桃マスカット | 作成日時:2022年4月26日 18時