君を見てる ２

66 ページ16

待ってる時間はあっという間で。

20分ほどで藤ヶ谷くんは帰ってきた。


『行ってらっしゃい。』


ついに私と二階堂くんの番


「行ってきます…」


『A先輩大丈夫？！
　俺一緒だから話しながら行こ！』


二階堂くんも気を遣ってそう言ってくれる。


「ごめんね。
　こう言うのどうしても苦手で…」


『ふはっ。
　なんかいつものA先輩と違う感じで面白いわ！』


『今日はお肉たくさん食べれました？』


「うん！
　めっちゃ美味しかったー♡
　お腹いっぱいだよ。」


『海鮮があるのもよかったっすよねー。』


そう話しながら歩いてると…

1つ目のトンネルに差し掛かった


このトンネルが私的にはかなり怖い


山の中にあるトンネルだから
通常のものよりもだいぶ幅が狭い上にライトが少なくて薄暗い
さらに雨も降っていないのに中が濡れている


…



…



「あの…二階堂くん。」



『ん？何すか？』



「本当に申し訳ないんだけど、よければTシャツの裾を持たせてもらえませんでしょうか…」



『…え』



「あの…このトンネルが苦手で…」



『あー…えっと
　シャツはちょっと伸びたら困るから…



　これでいっすか？』



サッと私の手をとる二階堂くん。




…手




…繋いでくれた




あ。
ヤバイ



自分からお願いしたことなのにこれは照れる



ちょっと前を歩く二階堂くんを見ると
また耳が真っ赤


ふふ。
二階堂くんも照れてる


恥ずかしいのに手、繋いでくれて
ありがと


不思議とさっきまでの怖い気持ちはなくなった
なんだか安心する
これならきっと平気


二階堂くんの手って大きくて指が長くてキレイだな

67→←65

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す