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信号待ちで車が止まる
ふと顔を上げると
見覚えのあるトラックがお店の前でハザードを点滅させて止まっていた
あ。
うちの会社のトラックだ
そう思ってふと
もう[うち]じゃないなって思い直して
思わずフッと笑ってしまった
誰のトラックだろ。。。
そう思ってジッと見ていたらドライバーが戻ってきた
深くキャップを被っていて顔が見えなかったが………
あの背格好は間違いなく
藤ヶ谷くんだった
私の心臓がドクンと跳ねた
まさか…………
会えるなんて………
目が離せなかった
藤ヶ谷くんは配達した荷物の後処理をしているのか目線がずっと下がっていた
信号が赤から青に変わり
私たちの車がゆっくりと動き出す
………気付かないかな
そう諦めかけた時
藤ヶ谷くんがパッと顔を上げ
目が合った
たぶん2秒くらい
もう車が動いていたから
すぐに見えなくなった
けどそのたった2秒がすごくスローに感じて
長く感じた
絶対に藤ヶ谷くんは私に気付いた
目線が私を追いかけたから
もう見えないと分かっていても目で追ってしまって
車の窓に顔を近づけていた
『知ってる人だったの?』
私の様子に気付いたかずくんにそう聞かれ
あまりに必死に見ていた自分にハッとした
「うん。
会社の子っぽく見えたんだけど……
向こうは気が付かなかったみたい。」
私は…………
またかずくんにウソをついた
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作者名:桃マスカット | 作成日時:2022年2月25日 7時