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私のお腹で必死に生きようとしている赤ちゃんを目の当たりにして
私の決意は固まった
【産む】
それ以外の選択なんてなかった
母は強しって言うけど………
生まれてくる前からもこんな気持ちになるなんて
正直自分でもびっくりだった
そして…………
どっちの子かわからないこの状況
私はかずくんには何も告げないことにした
もしかしたら藤ヶ谷くんの子かもしれないけど
その事はかずくんには一生黙っておくつもりだった
もし…………
もし万が一のことがあったら
私は1人ででもこの子を育てていこうと思う
それくらいの覚悟でこの子を産もうと決めた
そこからは今までの不安がウソみたいに消え去って
心が澄み切った空みたいになった
その日の夜
帰ってきたかずくんにすぐに伝えた
『え?
なんて?』
「ふふ。
だから、赤ちゃんできたよ。」
2回も言ったのに
目を丸くしてまだ信じられないって顔をしていた
だから今日もらったエコー写真を見せた
『え?
どれ?どれなの?』
「これが赤ちゃん。」
そう言って小さい丸を指差した
『うっそ!!
マジで?!』
丸くしてた目がさらに丸くなって
そこから目尻にシワができるほどの笑顔を見せたかずくんは
私をギュッと抱き寄せて
『めっちゃうれしー!』
そう叫んだ
私から離れたカズくんは私に見えないように涙をさっと拭った
それに気付いてしまった私はまたギュッと胸が苦しくなったが……
もうそんな事は言ってられない
私の決意は揺るがない
これからのことを考えるとこんなことは小さなこと
そう自分に言い聞かせた
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作者名:桃マスカット | 作成日時:2022年2月25日 7時