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受診予約の日


かずくんを送り出し
自分の準備を終えて家を出た



予約時間の10分前には病院に到着


当たり前だけど周りには妊婦さんもたくさん待っていた
中にはご主人と一緒だったり
上のお子さんがいたり




………みんな幸せそう





そう思いながら周りを見ていたら



♪ピンポーン♪

と言う呼び出し音とと共に電子掲示板に

【0810】番の方は診察室にお入りください

の文字が出た




私の番だ




コンコンコン


「失礼します。」



『こんにちは。』



「こんにちは。
 よろしくお願いします。」




先生の前に着席する



『検査結果も前と変わらず妊娠の反応が出てますから、
 超音波検査に進みましょうか。
 あちらで準備お願いします。』



検診台に乗って待っているとカーテンの向こうから先生に声をかけられた



『では、始めますね。』


「はい。」



緊張のピーク





『あーー。』


先生の声にドキッとする



『これ、この丸いの見えますか?』


横のモニターを見ると
白黒の画像の中に小さい丸いものが見えた


「はい。」


『これがね、嚢胞って言うんです。
 ちゃんと子宮の中にありますね。
 で、このポコポコ動いてるのが心臓です。』



心臓……………




動いてる



生きてるんだ





「赤ちゃん、、、
 生きてるんですね。」



思わずそう口に出てしまって




『はは。
 そうですね。
 ちゃんと、生きてますよ。』


先生に笑われてしまった




その瞬間から白黒のただの丸が私にとってとてつもなく愛おしいものに変わった





私の赤ちゃん





やっと…………












やっと私のところに来てくれた












嬉しくて泣きそうで
病院だったから必死で耐えようと頑張ったけど
無理で





診察室に戻った時に先生がそっとティッシュの箱を差し出してくれた

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作者名:桃マスカット | 作成日時:2022年2月25日 7時

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