新学期・ドコ座る？2

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………………





………………





何も答えられないでいた





どうするのが正解？






『………Aちゃん？』



そう言って優しく私の手を取った玉ちゃん




私も好き




そう言いたかった





でも…………でも言えない





ギュッと歯を食いしばっていた


玉ちゃんが優しく私を見つめていた



「あ………あの……………」




『ん？』




その目が優しくて



【YES】とも【NO】とも言えなくて

涙が溢れてきた



『…Aちゃん？』


ちょっと驚いたように私の名前を呼んだ玉ちゃん





その時




ガラッ




ドアの開く音がした




パッと振り向くと
そこにいたのは








梨沙だった






『Aー？
　遅いから迎えにき………た………。』




梨沙が見たのは





泣いている私





そして私の手を持っている玉ちゃん




ヤバイ




慌てて手を離してもらおうと振り解こうとしたが
玉ちゃんはぐっと手に力を入れて私の手を離してくれなかった



「り………」
『梨沙！
　ごめん。
　前にも言ったよね？
　俺はAちゃんが好きだって…。』



私が梨沙に話しかけるより先に玉ちゃんがそう言った





前にも言った…………？






その言葉に驚いて




玉ちゃんと梨沙を交互に見た




梨沙は悲しそうな顔をしてフッと顔を伏せた



『………ごめん。』



そう言うと梨沙は逃げるようにその場を去っていった



「梨沙！」


慌ててその後を追いかけようとしたけどまだ手を掴まれていて動かなかった


「玉ちゃん、私…
　梨沙を追いかけなくちゃ。」



『………………じゃ、ここで待ってる。』




「え？」




『Aちゃんが戻ってくるの待ってるから。』



そう言って掴んでいた私の手を離してくれた




行かなくちゃ





私は梨沙を追いかけて走った

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