【stpr】組長娘と婚約者候補【な組】Part3

#85 ページ3

今日6人全員がいない。

そんな私は篁を連れて買い物中。

メンズアクセのショップに。

男女だからかあんまり注目もされていない。

「篁、どんなのがいいかな？」

「あいつらなら何でも喜ぶと思いますよ、余程変なものでなければ」

うーん、気持ちがこもってれば嬉しいってことかな？

なんでこんなことをしているのかと言えばまぁ……。

私が選んだ婚約者候補とした記念？

バレッタみたいな髪飾りも欲しいけど自分のことは後にすべきだ。

やっぱり無難にリング？

「お姉さん、リングならチェーンに通してネックレスにするのもオススメです」

にこっと男の店員さんが微笑んで教えてくれる。

「なるほど……」

私は少し考えて。

「じゃあ紫、橙、ピンク、水色、赤、黄色の石が埋め込まれてるリングください」

「料金はかかりますがチェーンもつけましょうか？」

つけてもらえるならそれはそれで助かる。

「お願いします」

「ありがとうございます、少々お待ちください」

お金なら心配ない。多めに持ってきてる。

「ありがとうございましたー」

店を出ると篁が持つといったが私は断る。

「よろしいんですか？」

「ええ、これは私が持ちたいの」

「あいつらお嬢にこんなに思ってもらえるなんて幸せですね」

それほどのことかな？

「え〜、大袈裟ね」

フフッと笑う私。

「あ、お嬢」

「なに？」

篁は私に何かを渡してくれる。

それを開けるとト音記号や8分音符やシャープの飾りがついてるヘアピン。

「髪飾りほしかったのでしょう？」

「ありがとう…！すごく嬉しい！」

それを見てしまった帰り際の6人。

「……篁さん……」

「いつも早いんよな……」

「一番の強敵篁さんかよ」

「僕ら色々と勝ててなくない？」

「奇遇だね俺も全く同じこと思ってた」

「戦いも気遣いも一歩先とは……」

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