49."一番のヒーロー" ページ50
「…」
唖然とその顔を見つめる。
エ「おねえちゃんは！わたしの隣にいてくれて、助けてくれて、手を繋いでくれて、声をかけてくれて、笑いかけてくれて、……誰よりも…そばにいてくれる！おねえちゃんはわたしの"一番のヒーロー"だもん…！！」
…＿＿＿＿
エ「わたし決めたの…！傷ついても、辛くても、いつもおねえちゃんはわたしを守ってくれた。」
目をぎゅっと閉じ、鼻水を垂らしながら叫ぶ。
エ「おねえちゃんがまたどこかへ行っちゃったなら、ぜったい連れ戻すから…！また傷だらけになっちゃったら、ぜったい治すから…！」
「え、えり…」
掠れて出た声はかき消える。
エ「だから今度は、わたしが…＿＿＿"おねえちゃんを"まもるっ！！」
！！
目を見開く。
……守る？エリが、わたしを。
考えがそこに辿り着くとはおもわなかった。
だって、わたしが…"守られる"なんて。
「……はは…。それは、考えたことなかったな…。」
＿＿ヒーロー…
『すいやせん…！目を離した隙に…ガキ共が…！』
目を閉じた。
『お嬢ちゃん、大丈夫か？』
目を閉じた。
『あぁあ…！！いてぇ…、いてぇよ…！！』
目を、…閉じた。
犠牲になったものを見て、仕方ないことだったって目を閉じた。……必要なことだったって。
そんなことをして、あなたから家族を奪って、何もかも台無しにしちゃったわたしに
「ヒーロー、か。はは、そんな名前は似合わないよ。おねえちゃんには。」
困ったように笑った。
エ「ほ、ほんとにそう思ってるもん…！ほんとにそうなんだもん！」
「ははは。」
今は…言わないでおこう。
＿＿＿でも、いつかきっと知る日がくる。
地獄のような日々はわたしが招いたものだって。
「そうだね、"一番のヒーロー"か。…酷いことを、たくさんしてきたけど、それでも…そんなものになれたなら。」
そんなものに、なれたなら＿＿＿
エ「…おねえちゃん、」
「ん？」
また顔を上げる。
エ「わたし、がんばるね。」
決意に満ちた表情。
……ズビッと鼻水をすすってるのは置いとこう。
赤くなったその目の縁をやさしく拭った。
「…うん。＿＿＿＿エリ…ありがとう。」
守る…守る、か。
なんて頼もしいんだろう。
この気持ちをなんていったらいいんだろう。
…眩しいような、暖かいような。
応えるように、そっとその小さな手を握り返した。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
