33.いちばんいい方法 ページ34
からだが震える。
治「改良次第では、個性を"進化"させることも可能になるだろう。Aは計画の重要な要なんだよ、おまえに効率よくそいつが"使える"のか？」
わたしの肩を掴むお兄さんの手がつよくなった。
緑「＿＿この子を…なんだと思ってるんだ…！」
こわいくらいあの男を睨み付ける。
治「呪われてるんだよそいつらの"個性"は。……死んでもいいのか、A？」
「…！」
ハッ、と傍にいるエリとお兄さんを見る。
『君たちは…大、丈夫だ…！大丈夫…必ず、救ける…から…！！』
『サー！！！』
いやだよ
『次は足を使うぞ。』
いたい
『っうぅ…おねえちゃん…』
つらい
『おかあさん…』
くるしい
…もうやだよ、わたし
「もど、る…」
よたよた歩き出す。けどすぐに腕をつかまれた。
緑「だめだ！！」
「もういいよ！！！」
すごく大きな声でそういった。
「なんで…？エリも、お兄さんたちも、ヒーローも……おかしいよ…！わたしが行けばぜんぶまるく収まる。＿＿だれも死なない、だれも傷つかない、だれもいなくならない…！！」
振り返らずにはなす。
これが一番エリがたすかる方法で…だれもなにも失わずにすむ方法。
緑「そんなの、僕は許せない。」
「！」
治「俺なら制御できる、Aと壊理を渡せ。」
抱き上げられてエリと一緒に背中に乗せられると、マントで固定した。
緑「絶対、やだ。」
わたしとお兄さんの背中に挟まれるエリがわたしの手を握った。
緑「痛みよりも先に戻してくれてたんだね、とっても優しい"個性"じゃないか。」
エリの肩が小さく揺れる。
緑「Aちゃん…もうそんなこと言わないで、そんなこと…する必要なんかない。」
「…！」
ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ＿！！
緑「君にはエリちゃんが…僕らがいる。」
構えたお兄さんから緑色の光がちかちか出始めた。
エ『やだよ…ずっと一緒にいたいよ…』
緑「＿＿君たちはもう二度と離ればなれになんてならない、させない。」
巻き上げられる小石、目のまえにいる巨大な怪物。赤いマントがわたしたちとお兄さんを繋ぐ。
『＿＿わたしも、ずっと一緒にいたかったよ。』
「っ…」
閉じた瞼の端から涙がこぼれでる。
緑「Aちゃん、エリちゃん…力を貸してくれるかい。」
ｼﾞｼﾞｼﾞ＿＿！！
黄色と薄い赤色の光が少年に力を与えた。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
