13.いかないで ページ14
治「お二人とも初めて見るヒーローだ、新人ですか？随分お若い。」
ミ「…そうです！さ！立てよ相棒、まだ見ぬ未来に向かおうぜ！」
額から汗が流れおちる。
ヒーロー…だ＿＿このお兄さんたちは…
ミ「では我々、昼までにこの区画をまわらないといかんので！＿＿行くよ！」
＿＿え…
ひとりの、金髪のお兄さんは離れてく。
そんな、まって
緑「はいっ…」
いや
いやだ
まだここにはエリが＿＿
ｷﾞｭｯ
緑「！」
「いか…ないで…」
離れようとするそのひとの服を掴んだ。
＿＿あなたたちが行ってしまったら、エリは…
『見逃すから、命だけは…！！』
＿＿もうこれしかないの、どうしても頼るしかないの
『ぜんぶ…』
＿＿だれかの力が必要なの
『全部見なかったことにする！！』
＿＿おねがい、いかないで
緑「あの…娘さんたち怯えてますけど。」
気づけばいつの間にかエリも一緒に服を掴んでた。
治「…叱りつけた後なので。」
ミ「行こう。」
緑「いやァでも遊び盛りって感じの包帯じゃないですよね…」
エリの服を軽くひっぱってお兄さんの方にくっつくようにする。
治「よく転ぶんですよ。」
緑「こんな小さい子たちが声も出さず震えて怯えるって普通じゃないと思うんですけど。」
治「人の家庭に自分の普通を押しつけないで下さいよ。」
ミ「性格は様々だよね。」
暖かい手が、わたしたちの頭にそえられた。
緑「＿＿この子たちに何してるんですか。」
＿＿っ…
力強い声だった、頭にそえられた温もりはやさしかった。
治「…ふう。」
後ろからため息がきこえると"路地で話そう"といった。…わたしはエリに耳打ちする。
"なにがあってもこのひとから離れちゃダメ"
すごく不安げだったけど、わたしからはなれておとなしく緑色のお兄さんに抱っこされた。
もう片方の手でわたしの手を握ったお兄さんは路地へはいった。
治「実は最近エリとAについて悩んでまして、何を言っても反抗ばかりで。」
緑「子育て…ですか、大変ですね。」
手に力をこめて、伏せていた目を前へ向ける。
…やらなきゃ＿＿わたしが。
治「ええ…難解ですよ、子どもは。自分が何者かになる・なれると本気で思ってる。」
空気が変わった、と同時に。
緑「え…」
手の温もりが無くなる。
「＿＿ごめんなさい、お父さん。」
そう言って…わたしは男の横へ並んだ。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
