23.降りかかる殺意 ページ24
治「戻ってこいA、壊理。殺されちゃう？何度言ったらわかるんだ。」
ゴシゴシと頬を拭うあの男。咄嗟にエリの両耳を手で塞ぐ。
治「おまえたちは人を壊す。そう生まれついた。」
「…ちがう。」
ミ「聞かなくていい！」
治「なにも違わない。いつも言ってるだろう、A…おまえの我儘で俺が手を汚さなきゃいけなくなる。」
ちがう…！
治「＿＿おまえの行動一つ一つが人を殺す。呪われた存在なんだよ。」
ちがう！！
ミ「自分の子に何でそんなこと言えるんだ！！」
エリを抱き寄せる。
お兄さんはわたしたちを腕で包む。
治「？…ああ、そういう話だったな。俺に子などいない。」
バキバキバキ！！！！
地面が粉々になっていくのを見てお腹の底から恐怖がわいた。
「エリ…！！」
エ「っ…！」
そんなわたしの声に、エリはすぐに耳を塞いで目をつむり肩口に顔を埋める。
小さな頭を優しくおさえて抱きしめた。
＿＿もう習慣だった、わたしがこんな風に名前を呼ぶとそうしてくれる。
そうさせたのはわたしだ。
エリを守るひとつの手段、怖いことも辛いことも全部"わたし"が見聞きしてればいい。
「っ…！！」
歯をくいしばる。
地面がへんけいして大きなトゲの先端がまっすぐこっちへやってくる。
ミ「っこの子たちごと＿＿…！」
わたしを横抱きにしてそう呟いた。
治「ああ、壊れても支障はない。すぐに修復すれば蘇生できる、原型を留めていなくとも治せる。」
無数の石つぶてが舞う。
治「＿＿その子たちは身を以て知ってるハズだ。」
その瞬間、お兄さんからとてつもない怒気を感じた。
大きなトゲがきてもぎりぎりで避けるか、逃げるかでどうにかするお兄さん。
視界一面に襲いかかってくる大きなモノ
絶え間なく降りかかる殺意
響く轟音と衝突
「っ！！！」
ギリ＿＿
歯から嫌な音がでる。
こわい、こわい、こわい、こわい…＿＿！！
どこを見てもかんたんに"死"が連想できる。なんどもなんども目を閉じたい衝動にかられる。
でももしものときに何も見えてなかったら…エリを守れない。
ミ「ちょっとごめんね！」
「っえ、」
バサリと赤い大きな布に包まれて地面に下ろされる。
「え…！？」
エ「お、おねえちゃん…」
ふたりでモゾモゾしながら這い出ようとする。
ミ「ヒーローがマントを羽織るのは！」
見えたのはあの二人を相手にたたかってるお兄さんの姿だった。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
