115.螢 ページ19
蛍「…そうだ、外で涼める場所とか知ってる？」
洸「自分で探せ。」
手当てをしてくれた彼は去って行った。
蛍「ヒーロー嫌い、か。」
私はソファから腰を上げて外へ歩きだした。
＿＿
＿＿＿
外はうす暗く、晩御飯を食べていた人達も疎らになっていた。……さぁ、探そうか。
あまり遠くへ行くのも面倒なのでとりあえず宿泊施設の裏へ向かった。
蛍「やっぱりそうそうあるもんじゃない…。」
草を踏みながら進むと、小道の脇に池を発見。
蛍「わぁ、綺麗だな…。」
池のすぐ側へ座って見つめる。すっかり暗くなった夜空が池の水面にうつってとても綺麗だった。…と静かにしているとガサガサと草をかきわける音が。
洸「なっ…！」
蛍「…」
何故かこの少年とはよく接触する。
洸「おまえ何でここに…！」
蛍「…さっき見つけた。」
驚く少年に座れとすすめると少しはなれて私の隣へきた。もちろん会話などは皆無。
蛍「…そうだ、手当てのお礼。」
洸「は？」
私は左手を池に向かって伸ばす。
洸汰くんは怪訝そうにこちらを見ている。
蛍「"螢灯"」
そうして私は手から小さなたくさんの火の玉を池へ放った。ふわふわと池の上を漂うそれは夜だから映えていて少し幻想的。
洸「うわぁ…！」
洸汰くんは立ち上がり年相応の反応をした。…そういうところはやっぱり子どもなんだな。
洸「どうやってやったんだよ…！螢みたいだ！」
蛍「触らない方が良いよ。……火だるまになりたくなかったらね。」
そういうとわかりやすくびくつく少年。
蛍「…っふ、」
大袈裟に言いすぎたかな。
これを使ったのは久しぶり……＿＿いつ使ったんだっけ？
そうだ、初めて使ったのは家の庭だった。
蛍『かあさん！おにいちゃん！はやくはやく！』
冷『ふふふ、突然どうしたの蛍？』
焦『蛍〜？』
兄さんとあの人の手を引っ張り連れて来たのは庭の池。
蛍『へへ、みててね！』
ぼわわ、とそれを池一面に出すと
焦『わっ、＿＿わああ…！すごい！』
冷『！？』
兄さんは走ってはしゃいだ。
あの人は隣で驚いたように池を見つめていた。
冷『蛍…これ、』
眉を下げた顔、私の想像していた表情とは違って少し落ち込んだ。
蛍『あ…あのね…、かあさんとおにいちゃんに、……見せたくって…あぶないってわかってたんだけど、げんき出してほしかったから…、ごめんなさい…』
うつむくと、ふわりと暖かいものに包まれる。
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pino(プロフ) - 紗菜見さん» 本当ですか！？感動してもらえてすごく嬉しいです…！！コメントありがとうございました！ (2019年8月18日 18時) (
レス) id: 959de6d87f (このIDを非表示/違反報告)
紗菜見 - この小説めっちゃ感動できる！！！(TДT)更新頑張ってください！ (2019年8月18日 15時) (レス) id: 60662f9996 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - イマツギさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)全力で頑張ります！！ (2019年8月18日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね!!更新頑張ってくださいm(_ _)m (2019年8月18日 2時) (レス) id: 55b7647faa (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね…！(^-^) (2019年8月1日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年5月15日 15時
