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「ただいま」
リビングのドアを静かに開き、微笑みと共に言葉を落とす。
「おかえり」
ソファに寝転んだカズが体勢はそのままに、首だけ振り返った。
「ご飯作るね」
帰りにスーパーで買ってきた食材をかさりと揺らしてキッチンに入る。
さて、何を作ろうか。
…………っ
「あー！！！」
やばい、やばいっ。
「え、何どしたの」
抑揚のない声が私をぎょっと見つめる。
どうしようどうしようどうしよう。
翔の家にエプロンを置いてきてしまった。
エプロンがなくても、ご飯は作れる。
でも、その変化にカズが気付いたら、言い訳できない。
いや、でも別にやましい事があるわけじゃない。
翔にご飯を作るくらい、何てことない。
でも、知られたくない。
「なんでもない」
力なく首を振って、水道を捻った。
水の音が、嘘を隠してくれると思って。
嘘は新たな嘘を生む。
まさにその通り。
「パスタでいい？」
「いいよ」
手を洗い、蛇口を捻り、笑顔を作る。
そう、嘘なんて蛇口を捻るより簡単だ。
なのにどうして、のしかかる重さはこんなにも痛みを与えるのだろう。
嘘は人に空虚を注ぐだけ。
そしてその空虚は二度と満たされない。
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かおり(プロフ) - お願いですから、せめて1話だけでも書いてくれませんか… (2019年7月5日 13時) (
レス) id: 9aa4c2db67 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 更新…待ってます！ (2019年5月21日 1時) (レス) id: b29790e5ba (このIDを非表示/違反報告)
さいたん(プロフ) - 更新楽しみに待っています。 (2019年4月21日 16時) (レス) id: aceac62259 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - 切ない…今後どうなるのかとても気になります。更新楽しみに待っています、頑張ってください！主人公ちゃんがんばれ！！ (2018年3月12日 13時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 。・゜゜(ノД`)(。>д<)( ノД`)…(´д｀|||) (2018年2月14日 20時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふじしの | 作成日時：2017年9月30日 15時
