【進撃の巨人】名前のない物語【男主】 (ページ7)

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第五話ページ7

『………そこまでなりたいんだって、思い知った。』

｢ふ、…弟の気持ちを尊重するのも、大切な役目だぞ。…お兄さん。｣

『……ありがとう、エルヴィン。前言撤回。…俺は、エレンの好きな事をさせてあげたい。』

……きっと、大丈夫。

…エレンの気持ちを優先させないとな…。

きっと、父さんも母さんも…そうだって思ってる。

『じゃ、ハンジに今日の座学の報告してくる。』

｢あぁ、ありがとうな。｣

『おう。』

……さて。

『ハンジ！』

｢あ、A！どうだった？｣

『うん。楽しかった、…ありがとう。』

｢良かった。…実はさ、…まぁ、半分本当なんだけど…本当は、Aに座学頼めないかって、エルヴィンが言っててさ。｣

『え、…エルヴィンが……私に？』

｢うん。……でも、良かった！｣

『そうなんだ……』

エルヴィン……、…もしかして、俺がエレンの気持ちを知るために…？

｢あ、Aさーん！｣

そう言って、手を挙げて振るのはペトラ。

リヴァイ班の紅一点…… まぁ、俺がいるから紅一点ではないけど、本当は紅一点。

ペトラは本当に可愛い。

『ペトラ。どうしたの？』

｢特になにも…。たまたま掃除していたら、Aさんを見かけて…｣

えへへ、なんて頬をかく。

『ふ、…土ついてる。』

｢えっ。｣

頬についている土を指で拭うと、みるみるうちにペトラの顔が赤くなっていく。

『顔真っ赤。大丈夫？』

｢へ？！は、はい、大丈夫です！では！｣

『！待って、ペトラ！』

｢え？｣

『…これ、どうしたの？この傷…』

｢あ、これ……、さっき転んじゃって…。｣

『女の子なんだから、気をつけて…？』

｢すみません…、｣

『痕なんてついたら大変だから…。』

｢はい…気をつけます…、｣

『ふ、大丈夫。おまじないかけてあげるから、目をつむって？』

｢ありがとうございます！……何故か不思議と、Aさんがおまじないかけると傷跡がないんですよね…。｣

『…そうなの？不思議だね？』

なんて言いながら、そっと傷口に手をかざす。

すると、傷口は元通り治っていく。

これは、俺の生まれ持った能力…

ちょっと厄介だから、誰にも言ってない。

こうやって目をつむらせて、治癒する。

あとは、勿体ないけど絆創膏を貼れば、傷口が隠れて治った事も傷口がない事も分からない。

『はい。出来たよ。』

｢ありがとうございます！｣

『どういたしまして。』