【進撃の巨人】名前のない物語【男主】 (ページ11)

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第九話ページ11

『あ、…えっと。』

｢……え、…っと。｣

『……あはは、あっ！資料持ってくるの忘れちゃった！ちゃんと席に座ってるようにって、みんなに伝えておいて！』

頼んだよ！と走り去っていく。

『……し、…し、しまったぁぁ…っ』

バレてはいけない、なんて事はないんだけど。

…でも、エレンには、…ほら、母さんがああなった時、俺は何も出来なかったし、父さんが行方不明になってても、俺は何も出来ないし……、エレンはきっと、俺に相当な恨みを持ったり……なんて事も有り得るわけで…。

『助けて、エルヴィーーン！』

なんて、半泣きで廊下を走る。

｢そりゃ、自業自得だろ。｣

『リヴァイに聞いてないしっ』

｢まぁまぁ。…そこまでバレてしまったなら、本当の事を話せばいいんじゃないのか？｣

『で、でも……』

あれから、すぐに教室へ戻り、座学を始めた。

でも、視線が凄く痛くて痛くて……

エレンを直視出来なかった。

だって、ずっと俺のほう見てるんだもんっっ

怖いよぉ…どうしよう…

『……はぁぁ、』

｢ま、素直に言えばいいんじゃねぇのか。｣

『……うん、』

｢鬱陶しいな。｣

『……酷い。』

｢まぁまぁ。落ち着け。……エレンは、どうなんだ？｣

『……座学終わったあと……質問攻めにあったよ。』

｢Aさん。｣

『ひっ……は、はい…』

｢Aさんは、イェーガーなんですか？｣

『え、えっと、』

｢どうなんですか、教えてください！……俺の、…俺の何なんですか？！｣

『ご、ごめん。それについては、また今度！エルヴィンに呼ばれてるから、急ぐね！じゃあ！』

｢あ、ちょっ｣

｢……呼んでないぞ。｣

『困った時のエルヴィン。みたいな？』

｢で？どうすんだ。｣

『どうしようっっ』

｢なに、その面白そうな展開！｣

『面白くないよっ』

また今度って言っちゃったし、…そもそも、また今度って明日だし…っっ

『あぁぁ、もう…っ、どうしよぉぉっ』